エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.636
2018.02.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
縦置き・横置き両対応の縦長PCケース「ENTHOO EVOLV SHIFT」が編集部に届けられた。思えば「COMPUTEX TAIPEI 2017」開催に合わせて行われた関係者向けプライベート・エキシビションで初披露。他に類を見ない特徴的なスタイルから話題を集めたスカイスクレーパーは、国内正規代理店の株式会社アイティーシー(本社:東京都千代田区)を経由し、昨年末から販売がスタート。都合、お披露目から約半年を経て販売に漕ぎつけた事になる。
Phanteks「ENTHOO EVOLV SHIFT」(型番:PH-ES217E_BK) 市場想定売価税込19,980円(2017年12月16日発売)製品情報(Phanteks)(株式会社アイティーシー) |
Phanteksの「ENTHOO」シリーズに属する「EVOLV SHIFT」は、Mini-ITX専用筐体。フォームファクタは同一ながら、より拡張性の高い兄弟モデルとして「ENTHOO EVOLV SHIFT X」もラインナップする。今回は”背の低い方”をチョイスし、想像がしにくい内部構造を徹底的に検証していこう。
右が兄弟モデルの兄貴分にあたる「ENTHOO EVOLV SHIFT」(型番:PH-ES217E_BK)。 市場想定売価税込24,980円で、弟分同様に2017年12月16日より販売が開始されている |
評価サンプルを箱から取り出す前に、スペック表から「ENTHOO EVOLV SHIFT」の概要を掴んでおこう。この特異なスタイルを成立させているフォームファクタは、170mm四方のMini-ITX。すらりと伸びたスリムなボディは、外装部に3mm厚のアルミニウムと、4mm厚の強化ガラスを採用。決して十分ではない内部容積から、構成パーツやケーブル類はゴチャゴチャな状態になっても不思議ではないが、敢えて”魅せるPCケース”としての顔を持たせた。
なお初披露時の組み込みサンプルでは、水冷ユニットが搭載されていた。CPUクーラーの高さ制限である82mmを考えると、冷却能力を求めるにはウォーターブロックが低い水冷が最有力だが、この筐体内部にどのように組み込まれているのだろう。Phanteksによる独自設計のPCケースだけに、気になるポイントが数多く詰め込まれている。
発表会で「オールインワン型水冷ユニット向け」と紹介された「ENTHOO EVOLV SHIFT」。外装を設計したのはBoon T.Khor氏(右)で、内部の設計はTenzin Rongen氏(左)が担当 |
外形寸法は幅170mm、奥行き274mm、高さ470mmで、重量は6.6kg。よくあるメーカーの売り文句に習えば「設置場所を選ばず、インテリアにもマッチ」といったところ。なお外装パッケージサイズは幅280mm、奥行き600mm、高さ375mmで、付属品や梱包材を含めた総重量は7.6kg。ミニタワーPCケース程度の重量と、PCケースとしては小振りな茶箱だけに、店頭持ち帰りは十分に可能だ。