特別企画
2018.04.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
組み立て工程もいよいよ終盤。現場では人気のミドルタワーケース「303」の作業が行われていた。
蛍光灯により煌々と照らされたラインには、左右15名ずつに分かれ、合計30名を配置。フロントパネルのみが装着されたシャーシに、外部アクセスポートや強化ガラスパネルを取り付けていく。ここでは通電チェックから梱包までの作業が一気に行われていく。
ミドルタワー「303」の最終組み立て工程。レーンは右奥から手前に流れる右回転で、さしずめ”巨大な回転寿司”といった体 |
頭上のディスプレイに表示された指示に従いパーツを組み付け。ちなみに複数のチェックを通過した「303」のシャーシは、4台1組みで積み重ねられていた |
強化ガラス製サイドパネルにLEDストリップを貼り付けて行く。もちろん複数による手作業だ |
検証用の専用基板でRGB LEDの全点灯チェック。発光パーツが増えると、作り手の手間も増えていく事になる。さらに独特な通気孔が設けられた右サイドパネルを1枚ずつチェックし、問題がなければ装着を行う |
組み込みが完了した「303」を大切に不織布製の袋で梱包。付属品を入れ、全行程終了のシールを貼りれば完成。長い旅もこれでおしまい |
強化ガラス等の特別なパーツを除き、本社直結の自社工場で製造を行うIn Win。鉄の1枚板やABS樹脂のチップから、専用金型や成型用工作機械により構成パーツを製造。レーザー加工による試作から、アマダのパンチングマシンによる大量生産まで、大所帯ながら家内制手工業さながらの生産体制は、In Winの資産であり最大の強みだろう。
システマチックな機械化はたくさんの製品を生み出す。同時に思う以上に人が携わる工程も多い。「人間が作業したほうがクオリティが高い」と担当者は話す。In Winブランドを支えているのは、総勢600名のスタッフによるところが大きい。
通常立ち入る事ができない工場内部の見学は、非常に有益なものであり、たくさんの収穫があった。なによりこれまで秋葉原を取材中、店員と何気なく「もう少し安ければ売れるだろう」等と話す事があったが、とても軽々には言えない事に気付かされた。これもまた収穫だろう。
協力:In Win Development
株式会社アユート