エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.654
2018.05.01 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
MSI「Vigor GK70 CS JP」 市場想定売価税抜16,800円(2018年3月23日発売) 製品情報(MSI) |
日本国内ではまだPCパーツメーカーといったイメージが強いMSI(本社:台湾)だが、異分野ではご存知ゲーミングノートが世界的に大成功。そしていまゲーミングギア市場をターゲットに据え、本格的な進出を目論んでいる。昨年9月に開催された「東京ゲームショウ2017」では、国内向けに用意された多数のデバイス群を披露。その中で最も注目を集めていたアイテムの一つが、今回の主役である「Vigor GK70 CS JP」だった。
昨年9月の「東京ゲームショウ2017」でお披露目されてから、ちょうど半年が経って発売された「Vigor GK70 CS JP」。競争の激しいゲーミングギア市場にあって、負けない存在感を放てるだろうか? |
まるでぜい肉を削ぎ落としたかのような、スリムなボディ設計を採用したテンキーレスのゲーミングキーボード。キースイッチには、Cherryがゲーミング向けに開発した“銀軸”ことCherry MX Speedスイッチを搭載する。従来から40%も短い、わずか1.2mmアクチュエーションを実現した短接点仕様のスイッチだ。素早い入力が求められるゲーミングユースには理想的なメカニカルスイッチで、いまだ搭載モデルは一部メーカー製品に限られていることもあり、貴重な選択肢といえる。
ゲーマー注目のCherry製短接点スイッチである、“銀軸”ことCherry MX Speedを搭載。フルサイズの姉妹モデル「Vigor GK80 CS JP」もラインナップしている |
そしてゲーミングモデル定番のイルミネーションは、1,680万色の「Mystic Light」に対応。MSI製のマザーボード・グラフィックスカードとライティング効果を同期させることができる。PCパーツを手がけるMSIらしい機能で、ケース内部を彩るイルミネーションがそのままデスクトップに進出。マシン全体で統一感ある演出が可能というワケだ。
また、ハードウェアとの連動機能はそれだけではない。マザーボード・グラフィックスカードの動作モードを変更できるホットキーを備え、キーボード上からの簡易チューニングに対応。パフォーマンスが欲しい時はオーバークロック、ライトなタスクなら静音動作といった具合に、システムの設定をワンタッチでコントロールできる。
ゲーミングモデルらしい押し出しの強いパッケージ。Cherry MX Speedの採用や、統合イルミ「Mystic Light」への対応がアピールされている |
そのほか、ポーリングレート1,000Hzの高速レスポンスにNキーロールオーバーによる全キー同時押し、入力抜けを防ぐ100%アンチゴーストを搭載。リピートレートの可変機能やWindowsキーの無効化といった、ゲーミング向けの機能が網羅されている。国内リリースにあたり、しっかり日本語配列モデルを用意してきた点にも、MSIのホンキが窺えるようだ。
さらに付属の装備品として、FPSはじめPCゲームで多用するWASDキーには、特製の亜鉛合金キーキャップ(標準キャップにも換装可能)を用意。周囲のキーに対しても、ゴム製のテクスチャを備えた交換用キーキャップ合計11キー分が付属する。
なお、亜鉛合金キャップとゴムキャップは、いずれも下部にクリアパーツを組み合わせた二重成型。クリアパーツはバックライトを受けて赤く光るという見た目上のメリットだけでなく、フル金属製キャップのような“激突音”がしないという点で技あり。二重成型は経年劣化で分離しにくく、長期間の使用に耐えてくれる。
付属品として、交換用キーキャップと引き抜き工具が同梱。標準装備の亜鉛合金キャップと合わせ、下部のクリアパーツとの二重成型で構成されている |