エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.654
2018.05.01 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
軽快ながら安定性も十分な「Vigor GK70 CS JP」。ただしフルピッチモデル相応の全高があり、パームレストがあればより快適に使えそう |
小さいながらに剛性に優れた「Vigor GK70 CS JP」は、軽快なCherry MX Speedのベースには十分な安定感をもっている。Cherry MX SpeedはMX赤軸と同じ作動力45cN(1cN=0.98g重のため、そのままgに読み替えてもいい)のリニアスイッチとあって、(実際のところはともかく)MX赤軸の短接点版といった趣だ。頑丈なアルミ天板に反響する底打ち感も極めて良好。入力時間40%減の高レスポンスも相まって、MX赤軸以上の爽快感が得られる。
スタンダードな配列に多数のホットキーを備え、機能面でのキャパシティは思った以上に大きい。小さくて多機能という、ゲーミングユースにピッタリな仕様だ |
独特な形状のためか、「S」キーの亜鉛合金キャップにやや引っかかりを感じてしまった。ただし硬質で冷たい感触はかなり心地いい | 地味ながら、編み込み仕様のケーブルは取り回しがよく、ケーブルガイドもよく仕事をしている。スタンドにも備えられたゴム足のグリップも確かだ |
検証用ソフトで同時押しをチェック。通常時は6キーロールオーバーのため、それ以上は押しても認識されない |
Windowsキーを無効化する「ゲーミングモード」時は、全キー同時押しが解放。30キー以上が同時に認識されている |
かつてMSIが入力デバイス参入の第1弾として投入したゲーミングキーボードたち。あれからもう5年が過ぎていたとは |
実はMSIのゲーミングギアを触るのは初めてではなく、約5年前の今頃に入力デバイスの第1弾製品だった「GK-601」と「CK Series」を試す機会があった。当時からすでに堅実なデバイスを作っていたMSIだが、あれから5年を経て、大幅な進化を遂げていたようだ。
最も重要なキースイッチには、ゲーマーに最適と思える異例の短接点スイッチのCherry MX Speedを導入。いまだ採用製品の少ないスイッチだけに、競争激しいゲーミングギアの市場でも存在感が発揮できる。トレンドの機能ももれなく搭載、ゲーミング仕様のテンキーレスキーボードとして十分すぎる完成度をもっている。
ゲーマー仕様の高速スイッチを搭載するだけでなく、ゲーミングギアの枠を超えた機能も備えた意欲作。デザインも5年前から大幅にカッコよくなっているぞ |
さらにMSIならではと言える、ユニークなハードウェアコントロール機能が面白い。手元でお手軽にCPU・グラフィックスをブーストアップできるという、どこかゲーミングノートにも通じる楽しいオプション。もちろん、マシンと連動する「Mystic Light」対応のRGBイルミネーションも同様だ。MSI製マザーボード・グラフィックスカードとエコシステムを形成できるメリットがあり、あえてこのデバイスを導入する説得力になっている。パーツメーカーの巨人であるMSIが、自身のアドバンテージを最大限に活かしたゲーミングギアというワケだ。
協力:Micro-Star Int’l Co.,Ltd.