エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.661
2018.06.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ASRock「Fatal1ty H370 Performance」 実勢売価税込15,000円前後 製品情報(ASRock) |
Coffee Lake世代で待望されていた、メインストリーム向けのIntel H370搭載マザーボードが登場してしばらく。解禁後のドタバタもすっかり一段落し、市場でもユーザーの支持を集める人気モデルがあぶり出されてきた。その中でもトップクラスの注目を集めているのが、今回の主役であるASRockの中堅ゲーミングマザーボード「Fatal1ty H370 Performance」だ。
バリバリのハイエンドは望まないが機能に妥協はしたくない、という中堅ユーザーにウケている「Fatal1ty H370 Performance」。売れ筋のモデルとあって、売り場でも目立つ位置に展開されている |
世界的なプロゲーマー「Fatal1ty」の名を冠したミドルレンジ向けシリーズの最新作で、最大の魅力は圧倒的なコストパフォーマンス。価格は1万円台半ばとクラス相応ながら、12,000時間耐久のコンデンサを採用した10フェーズ電源回路や、IntelチップのギガビットLANといった、ハイエンドに迫るツボを押さえた構成が人気の理由だ。
搭載チップセットIntel H370の性能も、ほぼ上位チップ同等。オーバークロックやSLIを考慮しないカジュアルゲーマーにとって、非常にバランスのとれた仕様になっている。「Taichi」と並んでASRockを代表する看板シリーズの新作とあって、このモデルを待っていたというユーザーも多かったハズだ。
以前に詳細レビューをお届けした「Fatal1ty H170 Performance」や後継の「Fatal1ty H270 Performance」と、歴代高い人気を誇った「Performance」シリーズ。搭載機能も世代ごとに進化してきた |
さて、まずは「Fatal1ty H370 Performance」の構成や搭載機能をざっくりと確認しておこう。ASRockの高耐久設計「Super Alloy」に準拠したマザーボードで、飽和電流を最大3倍に増加させる「プレミアム50Aパワーチョーク」や12,000時間耐久の「ニチコン製 12K ブラックコンデンサ」など、高品質コンポーネントを贅沢に使用した高い信頼性は、製品の大きな特徴だ。電源回路もミドルクラスとしては最高峰の10フェーズ構成で、大きな負荷がかかる長時間のゲームプレイでもハイレベルな安定動作が期待できる。
オーバークロック機能のないH370搭載マザーボードとしては、破格の10フェーズ電源を搭載。部材も高品質コンポーネントが採用されている | IntelゲーミングLANや高音質オーディオに加え、イマドキのゲーミングモデルらしくRGBイルミネーション機能も内蔵している |
そしてネットワークには、信頼性と低いCPU負荷で定評のあるIntelチップのギガビットLANを搭載。Realtek ALC1220ベースのオーディオ回路は、デジアナ分離基板や音響コンデンサを採用した「Creative Sound Blaster Cinema5」が実装されている。
また、昨今のゲーミングモデルでは必須の装備になりつつある、イルミネーション機能も進化。アドレス指定できる「Polychrome RGB」に対応し、認定アクセサリとのライティング同期も可能になった。
かつては「Fatal1ty」の顔がデザインされていたパッケージは、機能解説に特化した質実剛健な内容に。搭載チップやモデル名、裏面では搭載機能が分かりやすくプリントされている |
そのほか、最大32Gbps転送に対応したPCI-Express3.0(x4)接続のデュアル「Ultra M.2」スロットに加え、Wi-Fiモジュール用のM.2スロット(Key E)も独立実装。別途モジュールを増設すれば、IEEE802.11acの無線LAN(+Bluetooth)にも対応する。
さらにUSB3.1 Gen2ポートをデュアル搭載(Type-A+Type-C)し、マウスポーリングレートを調整できる「Fatal1ty マウスポート」、3系統のグラフィックス出力を備えるなど、インターフェイスも充実。グラフィックスカード用のPCI-Express3.0スロットも装甲仕様の「PCI-E Steel Slot」になっており、重量級カードの組み込みも不安はない。