エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.701
2018.12.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
「H400」に収まる「G-Master Spear Z390-Mini II」の内部構造は、いったいどのようになっているのか。スペックシートを眺めるだけでなく、サイドパネルを開いて実際にその構成を覗いてみよう。なお、編集部に届けられた評価機はカスタマイズ仕様であり、基本構成から一部パーツが変更されている。
キレイに整った「G-Master Spear Z390-Mini II」の内部構造。その構成パーツを個別にチェックしていこう |
従来型モデルの「G-Master Spear Z390-Mini」とは異なり、CPUはより上位のCore i7-9700K(8コア/8スレッド/3.6GHz/TB時4.9GHz/スマートキャッシュ12MB/TDP95W)が標準仕様で採用されている。
先代の第8世代Core i7に比べ、物理コア数も動作クロックも向上。Hyper-Threadingがオミットされたため論理コア数は減っているものの、動画編集などのマルチスレッド処理を想定しないならば、それほど影響はない。むしろゲーミング向けには、物理8コアと4.9GHzの高クロック動作が効いてくるハズだ。
Intelが「ゲーミングに特化させた」と謳う、物理8コアを搭載するCore i7-9700Kを標準仕様に据えた。CPUクーラーは定番のサイドフローCoolerMaster「Hyper 212 EVO」が採用されている |
また、CPUクーラーには、CoolerMasterのサイドフロー型クーラー「Hyper 212 EVO」を標準装備。台座とヒートパイプを一体化させたCDC(Continuous Direct Contact)技術を特徴とするベストセラーモデルで、優れた熱移動効率を身上とする。長寿命なスリーブベアリングを採用した120mmファンには防振パッドを完備、振動対策も十分だ。
なお「Spear Mini」は空冷仕様のBTOのため、カスタマイズメニューに用意されているのは、いずれも空冷クーラーのみ。サイズの定番モデル「虎徹 MarkⅡ」や、Noctuaの高冷却モデル「NH-U12S」などのラインナップから好みで選択できる。
発売は2012年までさかのぼるベストセラーモデル。ヒートパイプでできたような、CDC技術採用の台座が特徴だ |
評価機に搭載されていたグラフィックスカードは、高耐久なデュアルファンクーラーを備えたGeForce RTX 2080 Ti搭載モデル「DUAL-RTX2080TI-O11G」だ |
グラフィックスカードは、GeForce RTX 2080 Ti搭載のオーバークロックモデルASUS「DUAL-RTX2080TI-O11G」が組み込まれていた。GeForce RTX 2080 TiはRTX 2000シリーズの中でも際立って品薄が続いているGPUだが、「Spear Mini」では複数モデルから搭載グラフィックスカードを選ぶことができる。GeForce RTX 2080 Tiを絡めてマシンを新調するつもりであれば、自作派でもBTOを検討する余地は大いにあるだろう。
なお「DUAL-RTX2080TI-O11G」は、専用ソフトを使用したOC Mode時にブーストクロック最大1,650MHz(リファレンス1,545MHz)で動作する仕様だ。2.7スロットを占有する巨大ヒートシンク、特許取得済みのウイングブレードファンで構成されたデュアルファンクーラーを搭載。大風量かつ低騒音のファンはIP5X準拠の防塵性能を備え、セミファンレスの「0dBモード」にも対応している。
クーラーを含めた厚みは2.7スロット分に及び、ケース内でもかなりの存在感を放っている。なお、ビデオメモリはリファレンスクロックのGDDR6 11GBを実装、補助電源は8pin×2を備える | 打って変わってコンパクトなこちらは、基本構成で組み込まれるGeForce GTX 1060(6GB)搭載カードのMSI「GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OC」だ |
ちなみに標準構成では、GeForce GTX 1060(6GB)を搭載したMSIの「GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OC」が選択されている。こちらも1,759MHz(リファレンス1,708MHz)で動作するオーバークロック仕様で、トルクスファンを採用するオリジナルクーラーを装備。コストパフォーマンス重視の構成なら、そのまま変更する必要はないだろう。