エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.720
2019.02.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ASRock「B365M Phantom Gaming 4」 実勢価格税込11,880円前後 製品情報(ASRock) |
Intelの新型チップセット「Intel B365」を搭載するマザーボードが登場、今月より販売が始まっている。Intel Core 9000シリーズに対応するLGA1151プラットフォームの新しい廉価チップセットで、ローンチ時点ではASRockのみが搭載製品をリリースした。従来のメインストリーム・エントリー向けチップセットと比べ何が違うのか、まずはその特徴を簡単にチェックしておこう。
Intelが新たに投入したエントリー向けのチップセット「Intel B365」。現時点で製品をリリースしているのはASRockのみ、いったいどのような性格のチップセットなのだろうか |
ちょうどH370とB360の中間に位置付けられるチップセットながら、製造プロセスは従来の14nmから22nmに変更されている。かねてよりIntelは14nmプロセスの製造ライン逼迫が噂されており、その対策のために投入されたという風聞がもっぱらだ。
ちなみにB360との比較では、CPUの倍率変更によるオーバークロックやSLIに対応しないなど、ベースとなる機能は変わらない。ただしPCI-Express3.0レーン数は12からH370同等の20へ増強されており、RAID機能も追加、USBポートの最大数も12から14へと拡張されている。
その一方で、USB3.1 Gen.2やIntel Wireless-AC(無線LAN)機能など、14nmプロセスのIntel 300シリーズから搭載された機能は省略。H370の機能制限版、あるいはH270のブラッシュアップ版のような性能と言えそうだ。
単なるB360のバリエーションではない、22nmプロセスの新型チップセット。USB3.1 Gen.2やWi-Fiはネイティブサポートされないが、PCIeレーン数は20に増強されている |
さて今回の主役となるのは、Intel B365チップセットを搭載したMicroATXマザーボードの「B365M Phantom Gaming 4」。ASRockのゲーミングモデル「Phantom Gaming」シリーズに属する製品で、バランスのとれた機能を搭載しつつ1万円弱で購入できる、コストパフォーマンスに優れたモデルだ。
「Polychrome RGB」対応のRGB LEDを内蔵した大型のI/Oカバー「I/O Armor」や、大胆にカットされたエッジ部分。さらにボードとシンクロしたヒートシンクデザインなど、スタイリッシュな外観はゲーミングモデルならでは。まずは簡単に搭載機能の概要からチェックしておこう。
ゲーミングモデルらしいデザインが目を引くコストパフォーマンスモデルの「B365M Phantom Gaming 4」。低価格ながら、ツボを押さえた搭載機能を持つ |
コストパフォーマンスモデルといいつつ、デジタル制御の8フェーズ回路を搭載する電源周りは強力。高耐久な「ニチコン12K ブラックコンデンサ」や「プレミアム50Aパワーチョーク」、「高密度ガラス繊維PCB」といった高品質なコンポーネントが採用され、ハイレベルな安定動作を可能にしている。
また、ネットワークには低負荷かつスループット性能に優れたIntelチップのギガビットLANを装備。Wi-Fi用の拡張スロット(M.2)も備え、対応モジュールを実装すれば無線LAN環境も構築できる。Realtek ALC1200ベースのオーディオ回路は、ニチコン製音響コンデンサやデジアナ分離基板などで構成。限られたボード面積に十分な装備を備えている。
「Phantom Gaming」のロゴマークが中央に大きくデザインされた、「B365M Phantom Gaming 4」のパッケージ。MicroATXモデルのため、ボックスサイズは控えめだ |
そのほか、ストレージはPCI-Express3.0(x4)接続の「Ultra M.2」をデュアル搭載し、片方には専用ヒートシンク「M.2 Armor」を標準装備。拡張スロットにはメタルシールドの「Steel Slot」が採用され、重量級グラフィックスカードの組み込みに備えている。