エルミタ的リサーチ Vol.21
2019.03.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/Tawashi
前回のリサーチから約6年ぶりと、だいぶご無沙汰なテーマだったスマートフォン。「スマホ時代」への移行期さながらだった前回とは異なり、もはや“スマートフォンの所有率”については話題にする必要がなくなった。共通しているのはiPhoneユーザーの多さで、今回リサーチに協力してくれた店員の約6割がiPhoneを使っているという結果に。日本は世界でも珍しいほどiPhoneが圧倒的シェアを占めていることで知られているが、その傾向はアキバのショップ店員であっても変わらない。むしろ前回は4割ほどだったため、6年を経てさらにiPhoneへの支持が強固になったと言える。
そして特にモバイル系店員については、最新機種を使う人が思いのほか少なかった点が意外だった。昨今のスマートフォン自体が極めて高性能なことに加え、コンテンツ側のスペック要求がほぼ頭打ちになっていることから、必要な性能を見極めて最適な端末をチョイスしている印象だ。前回のリサーチでは当時の最新機種である「iPhone 5」のユーザーが圧倒的に多かったことを考えると、隔世の感がある。「iPhone Xs」世代で端末価格が10万円を超えたことに象徴される、ハイエンドモデル高価格化の影響を挙げる声も多かった。
その一方でパーツ系店員は、元来の“新しもの好き”な傾向がモチベーションになっているのか、iPhoneユーザーを中心に最新機種の所有者が多かった。携帯電話のみのユーザーが多かった前回とは好対照で、スマートフォンがすっかり身近なデバイスになったことにより、最新パーツへ向けられる興味とベクトルが一致したのかもしれない。
また、モバイル系・パーツ系問わず耳にする機会が多かったのが、大画面化やベゼルレス化といった、最新スマートフォンのトレンドに関する反応だ。特にユーザー層の厚いiPhoneでは、ここ数年でイヤホンジャックや物理ホームボタン、指紋認証機能といった、これまで定番だった機能に大鉈が振るわれた。結果はまさに賛否両論、より便利になったという声もある一方で、受容できない人は最新機種に更新しない主要な理由の一つになっている。せっかくベゼルレス仕様になってもコンテンツ側が活かしきれないなど、最新仕様への対応にタイムラグがある点も無視できない。
なお、今後は来る「分離プラン」の導入もあり、端末の入手性が大きく変わってくることが予想されている。次回のスマートフォンリサーチでは、いったいどのような声を聞くことができるだろうか。