エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.741
2019.05.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
3月中旬よりCORSAIR(本社:アメリカ カリフォルニア州)の大型Cubeケース「Crystal Series 680X RGB」の国内販売がスタートした。
カラーはブラックとホワイトの2色を用意。合計3枚の強化ガラスを使ったイマドキ仕様で、さしずめ”魅せるCube型ケース”といった様相だ。フロントにはRGB LEDファン3基を標準で装備。ハイエアフローも特徴で、内部容積の広さから拡張性の高さもアピールポイントになっている。
CORSAIR「Crystal Series 680X RGB」 市場想定価格税込40,500円(2019年3月16日発売) 680X RGB Black(型番:CC-9011168-WW)/ 680X RGB White(型番:CC-9011169-WW) 製品情報(CORSAIR) |
CORSAIRのCube型PCケースといえば、2013年8月に「Carbide Air 540」、2014年9月に「Carbide Air 240」の検証をそれぞれ行っている。いずれも共通点は内部が左右に仕切られたデュアルチャンバー設計だ。
E-ATX対応の大型Cube「Carbide Air 540」(2013年7月発売) | MicroATX対応で”540の弟分”と紹介した「Carbide Air 240」(2014年8月発売) |
「Crystal Series 680X RGB」の基本設計思想である”デュアルチャンバー”のメリットについて、今一度確認しておこう。
そもそもチャンバーではなく、部屋を意味するチェンバーが正確なのかもしれない。自作PC業界で使用される(デュアル)チャンバーは、PCケース内部を2つに分けた設計により、良好なエアフローを作り出す。加えて、構成パーツの搭載ポジションを最適化できることから、組立のし易さとケーブルマネジメントが有利とされている。
PCケースを「右エリア」と「左エリア」に分けた「デュアルチャンバー設計」 |
「Crystal Series 680X RGB」に当てはめると、幅の狭い「右側のエリア」には、電源ユニットやストレージを収納。幅の広い「左側のエリア」には、マザーボードやグラフィックスカード等の主要パーツが搭載される。熱源を分離し、理想的なエアフローの構築が可能。さらに構成パーツ同士のクリアランスも十分に確保できる設計は、大型Cube形状の筐体ならではのメリットと言えるだろう。
実機による検証を始める前に、スペック表から「Crystal Series 680X RGB」の概要を把握しておこう。対応フォームファクタはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITXで、各有効スペースは、グラフィックスカードで長さ330mm、電源ユニットで長さ225mm。またCPUクーラーは高さ180mmとなり、内部容積の広さが容易に想像できる。
外形寸法は幅344mm、奥行き432mm、高さ505mmとなり、一般的なミドルタワーPCケースとは明らかに異なる形状である事が分かるだろう。特に横幅は300mmを超えており、広く設置スペースを確保しておく必要がありそうだ。ちなみに重量は11.58kgにおよぶため、構成パーツをフルに組み込んだ後の移動は最小限に留めておきたい。
なおパッケージサイズは実測で幅430mm、奥行き490mm、高さ580mm。店頭からの持ち帰りを希望するなら、カートを準備しておこう。