エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.747
2019.06.22 更新
文:pepe
最後のセッションは、いよいよ「MAG271CQR」のもつ“ゲーミング液晶としての実力”を検証していきたい。テストにあたっては、PC性能がディスプレイのリフレッシュレートを下回ることがないように、MSIの「Trident X Plus」を借り受け、テスト環境に使用した。コンパクトながらハイエンドスペックを搭載したゲーミングマシンで、その実力はこちらのレビューに詳しい。
10リットル筐体に最新ハイエンドパーツを詰め込んだ「Trident X Plus」。Core i7-9700KやGeForce RTX 2070を搭載している |
まずはリフレッシュレートの違いを動画で体感してみよう。レースゲーム「Forza Motorsport 7(無料試用版)」のレーススタート時のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/85Hz/120Hz/144Hzそれぞれの違いを比較する。なお、テストではディスプレイ同期「Adaptive-Sync(FreeSync)」を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。
60Hzの倍となる120Hzのリフレッシュレートが滑らかであることは間違いないが、さらに上の144Hzをしばらく見ていると目が慣れてしまうのか、120Hzでさえ物足りなさを感じてしまう。PCの性能に余力があるならば、144Hz駆動のディスプレイを選ばない理由はないだろう。
また、60Hzと144Hzの動画を横並びにして滑らかさの違いを確認しよう。60Hzの2倍以上の画面書き換え行う144Hzでは、残像自体は存在するものの、素早く画面が更新されるため、スーパースローモーションでさえ残像感を感じにくい。実際の画面を肉眼で見た感覚では、よほど目を鍛えているユーザーでなければ残像を感じるほうが難しいかもしれない。
次は、ディスプレイ同期「Adaptive-Sync(FreeSync)」を無効にすると、どのような影響がでるか見ていこう。先ほど同様に、テストにはレースゲーム「Forza Motorsport 7(無料試用版)」のレーススタート時のリプレイを使用し、リフレッシュレートはいずれも144Hzに設定。デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより、画面を直接撮影している。
「Adaptive-Sync(FreeSync)」をOFFにすると、今までは全く問題なかった画面が水平方向にせん断されたようなズレが発生した。これが書き換え中の画像と書き換え前の画像が同時に表示されるティアリング現象だ。スーパースローモーションはもちろん、肉眼で見ていてもその不自然さは明らか。自然かつ滑らかな描画が要求されるゲームプレイ時においては、ハイレベルな環境になればなるほど、必要とされる機能といえる。
OSDメニューのほか、AMD環境では「ディスプレイ設定の変更」から、NVIDIA環境では「NVIDIAコントロールパネル」からON/OFFが設定できる | OSD側で無効化すると、設定項目そのものが表示されなくなる点には注意したい |