エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.759
2019.07.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
1993年に設立されたFSPグループ(本社:台湾)。産業向けエネルギー分野での実績を積み上げ、今や世界有数の電源メーカーとして知られている。そして近年は家電製品をはじめ、医療機器や照明、代替エネルギー(太陽光発電)まで多様なニーズに応えるべく、幅広い分野に進出。今なお成長を続けている。
その基礎の上に成り立つのが、自作PCパーツだ。得意とする電源ユニットを筆頭に、CPUクーラーやPCケースまで徐々にラインナップを増やし、FSPグループの成長分野のひとつと言えるだろう。今年5月に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2019ではブースを構え、”産業色”を感じさせない自作PCパーツメーカーとして、多くの製品を披露した。
COMPUTEX TAIPEI 2019でひときわ目を引いたのが、オープンフレームPCケースFSP「CMT710」だろう。量産開始は2019年Q4を予定しており、販売価格は499ドルになる見込み |
そして今回取り上げる「CMT520」は、国内市場でも販売がスタートしたミドルタワーPCケースだ。オープンフレームPCケース「CMT710」の兄弟モデルという位置付けで、外観こそまったく異なるものの、”魅せるPCケース”というコンセプトに共通点を見出すことができる。
FSP「CMT520」 市場想定売価税込15,330円(2019年6月20日発売) 製品情報(FSP / 株式会社オウルテック) |
とは言え、この手のスタイルはライバルモデルが多く、既にエルミタでも多数の製品を取り上げている。後発の強みは既存品を上回れる事だが、さて「CMT520」の魅力はどこにあるだろうか。期待をしながら検証を進めていこう。
実機に触れる前に、スペック表から「CMT520」の概要を把握しておこう。対応フォームファクタはE-ATX/ATX/MicroATX/Mini-ITXとされる。なお「CMT520」はスタンダードミドルタワーだが、手元資料にはE-ATXサポートについて、サイズの制限等の記載は見当たらない。ここは要チェック項目として、後ほど確認する必要があるだろう。
主素材はスチールで、副素材にプラスチック。さらにフロントと左側面には強化ガラスが使われており、3種類のマテリアルで構成されている。
外形寸法は幅が215mm、奥行きが495mm、高さが510mmで、重量は8.5kg。大型PCケースの目安である500mm超えは高さのみ。パッケージサイズは幅273mm、奥行き555mm、高さ545mmで、付属品や梱包材を含めた重量は9.7kg。店頭購入による持ち帰りには、カートが便利だろう。