エルミタ的「編集部で使ってみた」
2019.08.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
いよいよ検証を行うため、ペルチェクーラーをスマートフォンに取り付ける。保護シールを剥がして横向きのスマートフォンに挟み込み、給電ケーブルを電源に接続すれば準備完了だ。対応機種は4~6.5インチサイズのスマートフォンで、iPhone XS Maxをはじめ主流の端末のほとんどに装着できるだろう。
なおシールを剥がす際は、勢い余ってスマートフォンに接触する冷却パッドまで剥がしてしまわないように注意。また、電源には5V/1.2A以上の出力が必要になることも覚えておこう。
初期状態では、クーラーを保護するためにシールが貼られている。剥がし忘れに注意するのはもちろん、裏側にある灰色の冷却パッドまで剥がしてしまわないよう気を付けよう |
LEDボタンを押すことで、ブルーのLEDが点灯する。周囲を照らし出すほどの光量はないが、光らせた方がカッコよさがアップする |
電源を入れるとたちまち冷却パッドの冷却が始まるため、熱源がない状態で放置すると結露が発生していた |
今回検証にあたっては、手持ちのiPhone 7を使用した。だいぶ型落ちのモデルで恐縮だが、冷却性能のテストがメインのため、ひとまずご容赦いただこう。
また、端末に装着する際は、スマートフォンにとって一番の熱源であるCPU(SoC)の位置に合わせることで、より効果的に冷却できる。クーラー自体がコンパクトなこともあり、熱源を狙い撃ちで冷やすことが重要というワケだ。
伸縮するクリップでスマートフォンに横向きで装着、85mm幅まで広げることができる。熱源のCPU位置に合わせ、装着箇所を試行錯誤しよう |
まず最初は、3DMarkのiOS版ベンチ「3DMark Sling Shot Benchmark」から、上位プリセットの「Sling Shot Extreme」を実行する。ベンチマーク実行直後から早速端末の発熱が始まっていたが、ペルチェクーラーの装着でどのように冷え方が変わるのか、サーモグラフィで確認してみよう。
クーラー稼働前 |
クーラー稼働状態 |
それぞれテストを5周させてサーモグラフィを確認したところ、クーラーを稼働させることで最大温度は3.2℃の低下がみられた。もちろんそれだけなら多少物足りなさを感じるところだが、注目は熱源中心部以外のエリアだ。稼働前は全体的にオレンジや黄色の高温状態になっていた部分が、クーラーの稼働により大きく温度を落としている。端の部分に至っては触れると冷たさを感じるほどで、熱源中心からの波及が抑えられているのが分かる。
また、当初それほど注目していなかった、ベンチマークスコアの変化には驚かされた。クーラーを稼働させることでサーマルスロットリングが解消され、FPSの落ち込みが改善。スコアを大きく押し上げている。効果的な端末の冷却は、パフォーマンス向上のためにも重要な要素だ。
クーラー稼働前はFPSが激しく落ち込むシーンがあるものの、クーラーを稼働させることでFPS推移が安定した。スコアも1.4倍以上に上昇している |