エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.934
2020.11.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
内外から製品のすべてをチェックしたところで、いよいよシステムを組み上げて1000Wモデル「Hydro PTM PRO 1000W」の挙動を確認していこう。CPUには12コア/24スレッドのハイエンドモデルRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスにはMSIのGeForce RTX 3090搭載モデル「GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」を組み込み、最新のウルトラハイエンド環境を構築した。
高負荷時には最大4.95GHzまでクロックが上昇していたRyzen 9 5900X。なお、メモリはDDR4-3200MHz動作の最大64GBが認識されている |
新設計の3連ファンクーラー「TRI FROZR 2」を搭載する、MSIのGeForce RTX 3090グラフィックス「GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」を組み込む。最大消費電力は370Wだ |
「GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」の挙動をGPU-Zでチェック。ブーストクロックは1,785MHzだが、高負荷時には最大2,000MHz前後までクロックが上昇していた |
これらのパーツは、15フェーズ電源を搭載するMSIのハイエンドマザーボード「MEG X570 ACE」とともに組み込み、システムを構築している |
「Hydro PTM PRO 1000W」の検証を進めるにあたり、電圧変動を視覚的に把握できる「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。そこで検証のトップバッターとして、ソフトウェアに搭載されているストレステスト「System Stability Test」を実行。チェックボックスをすべて埋めて最大の負荷がかかるよう設定し、30分間動作させた際の挙動を見ていこう。
テスト中の消費電力は、さすがハイエンドシステムとあって588Wをマーク。一般的に電源ユニットは、容量の半分程度の負荷がかかった際に最も変換効率がよくなることを考慮すると、やや重めの負荷がかかっていたことになる。
そしてシステムの主要な動作に用いられる+12Vの数値を中心にテスト結果を見ていくと、定格をベースとした変動幅は最大で0.02%という優秀なもの。PC向けの電源ユニットは規格上2%の電圧変動が認められているが、その100分の1に収まっている。製品の負荷レギュレーションである±1%未満の基準も楽に満たし、極めて安定した出力傾向にあることが分かった。
テスト実行中はほぼ12.1V前後に張り付き、グラフの波形もフラットそのもの。テスト開始時にわずかに定格を割った+5Vも最大1%未満の変動であり、平均値からも常時定格以上で動作していることが見て取れる。