エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.942
2020.12.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
抜群のスピードと引き換えに、かなりの発熱がネックになるPCI-Express4.0対応のNVMe SSD。最後は「MEG B550 UNIFY」が搭載するM.2ヒートシンク「Double Side M.2 Shield Frozr」の冷却性能をチェックし、実動インプレッションを締めくくろう。
ヒートシンクだけでなく、マザーボード側にもサーマルパッドを備えた“サンドイッチ”方式で冷却する |
検証環境にはPCI-Express4.0に対応するCFD「PG3VNF」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2B1TPG3VNF」を組み込み、ヒートシンクの有無でどのように挙動が変わるかを確かめる。テストには「CrystalDiskMark 7.0.0」を使用し、データサイズは16GiB、テスト回数を9回に設定し、3回連続でベンチマークを実行した。
ヒートシンク装着時:16GiB(MB/s) | ヒートシンク装着時:16GiB(IOPS) |
さすがはPCI-Express4.0対応のSSDといった速度で、シーケンシャル・ランダム性能ともに公称値に匹敵するスコアをマーク。SSD本来の性能をうまく引き出せている印象だ。転送速度のグラフも全体的に整然としており、極めて安定している。コントローラの温度も70℃未満に抑えられており、サーマルスロットリングも発生していない。「Double Side M.2 Shield Frozr」はしっかりと発熱に対処できているようだ。
ヒートシンクなし:16GiB(MB/s) | ヒートシンクなし:16GiB(IOPS) |
一方でヒートシンクがない状態では、一見「CrystalDiskMark」のスコアは健闘しているように見えても、ランダム性能を中心に全体的なスコア低下は否めない。転送速度のグラフも安定性を欠いたもので、80℃を超えてサーマルスロットリングが発生すると、速度を落として温度を下げている挙動が読み取れる。高発熱なPCI-Express4.0対応SSDで安定したパフォーマンスを発揮するには、やはりヒートシンクは必須の装備だ。
PCI-Express4.0を絡めた最先端のシステムを組めるのが、現在のAMDプラットフォームの強みと言える。グラフィックス分野ではまだ有意な差はないまでも、PCI-Express4.0対応SSDの圧倒的なパフォーマンスは大きな魅力。そうした環境に最もお手頃に手が届くのが、AMD B550搭載マザーボードだ。
そこへ新たに殴り込みをかけた「MEG B550 UNIFY」は、これまで登場した同シリーズ製品に恥じない完成度。もとよりハイレベルなコストパフォーマンスに定評のあったシリーズだけに、ミドルクラスへの投入が待たれていたのは、冒頭触れた通り。
PCI-Express4.0対応の3基を含む合計4基のM.2スロット(しかもすべてヒートシンク付き)、2.5ギガビットLAN+Wi-Fi 6による強力なネットワーク、さらにオーバークロックに耐える強靭な電源回路と、ハイエンドに匹敵する機能を揃えた、破格のモデルだ。
そして何より、突き抜けたシリーズコンセプトを体現する漆黒のデザインが、素直にカッコいい。質実剛健さを主張しつつ他を邪魔しない存在感は、どのようなパーツとの組み合わせにも応えられる。登場間もないRyzen 5000シリーズ、さらにPCI-Express4.0に対応するSSDと最新グラフィックス。これらを集めたマシンのベースに相応しく、なおかつお手頃な鉄板マザーボードが登場した。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社