エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.957
2021.01.29 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「P10 FLUX」の外観デザインは、「Performance」シリーズに属するとあって、もっともAntecらしいスタイルと言えよう。フロントパネルに余分な装飾をしないフラットデザインは、2020年2月に発売された「P82 Flow」をはじめ、2018年12月発売の「P101 Silent」、2018年8月発売の「P5」など、そのアイデンティティは脈々と受け継がれている。さらにそのルーツを辿れば、静音ブームを牽引した2005年発売の「P180」にまで遡る事ができる。多少の寄り道はあったにせよ、AntecのPCケース作りは常に「Performance」シリーズに軸足が置かれている事が分かる。
「P10 FLUX」のデザイン上、最も象徴的なのはフラットなフロントパネルだろう。ヘアライン調に仕上げた前面パネルはプラスチック製で、開閉ドア機構としている。見た目のスマートさに加え、静音性を高める事が目的で、開閉ドア内部には防音パネルを装備。内部構成パーツからの駆動音を前面に漏らさない対策が施されている。
開閉ドアにはマグネットが装着されており、シャーシの金属面に固定できる仕組み。ドアを開くと内部フロントパネルが露わになり、格子状の通気孔と上段には5.25インチオープンベイが確認できる。
格子状の通気孔は上部のラッチで固定。防塵フィルタの役割を果たし、取り外すと3基の120mmファンが標準で装備されていた |
開閉ドア機構には、開閉方向が変更できるギミックが盛り込まれている。開閉機構付け根部分を見ると、ネジ留めされたヒンジのカバーがある、これを外し左右付け替えるだけで出荷時の右開きが左開きにできる。設置場所によって都合のいい開閉方向があるだろう。ユーザーの条件に合わせてスタイルが変更できる設計は実に親切だ。
ネジ留めされたヒンジ部のプラスチックパーツ。上下を取り外せば、ドアはシャーシから分離可能。左右を付け替えれば作業は完了できる |
開閉ドアと枠部分を含むフロントパネル自体は、左右各4本のピンで固定。ケーブル類等が接続されていないため、取り外し作業で断線する心配は無用 |
フロントトップ右側面の縦列には、各種スイッチと各種アクセスポート類がレイアウトされている。手前からPowerスイッチ、ファンスピードコントローラー、USB3.0ポート、マイク端子、ヘッドホン端子、USB3.0ポートが並び、兄弟モデル同様ポート類には防塵キャップ(ダストカバープラグ)が装着されている。
「DF600 FLUX」「DP502 FLUX」と違い発光パーツがないため「LEDコントローラー」に代わり、「ファンスピードコントローラー」が装備されている |