エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.960
2021.02.05 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まず手始めに、CPUの純粋なパフォーマンスを計測できる「CINEBENCH」系のベンチマークテストから。「Mini PC VC66-C2」シリーズがウリにしているサイズ以上のCPUパワーを実際に検証してみよう。
「CINEBENCH R15」の結果から見ていくと、さすがは8コア/16スレッドCPUというマルチコアテストのスコア。モバイル向けの第10世代Core i7を搭載していた「Mini PC PN62」の検証時と比較すると、3倍以上の大差をつけている。デスクトップ向けCPUの貫禄を見せつける結果で、シングルコア性能も200の大台に乗る立派なもの。コンパクトマシンという制約を感じさせない見事なパフォーマンスだ。
続いて最新ベンチマークの「CINEBENCH R23」だが、こちらも同様に圧倒的なマルチコア性能が印象的だ。まだ比較対象が少ないテストながら「Mini PC PN62」に比べれば3倍以上、モバイル向け第9世代のCore i9も上回るスコアを叩き出している。一般的なデスクトップPCと同クラスの働きを期待しても問題はなさそうだ。
その一方でベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、早い段階から90℃オーバーを記録していた点はやや心配なところ。小型PCは排熱機構やクーラーサイズなどに制約が多く、冷却性能が飽和しやすい。長時間高負荷動作が連続する場合は、ピーク性能を維持できない場合が出てくるかもしれない。
ハードウェアモニターの「HWiNFO」でCPU温度をチェックしたところ、「CINEBENCH」実行中は90℃オーバーに達していた |
本来はビジネス向けを想定した製品ながら、デスクトップ版CPU搭載によるグラフィックス分野のパフォーマンスも気になるところ。次は3Dベンチマークの定番である「3DMark」を動作させ、その結果を見ていこう。テスト用のプリセットはミドルレンジのホームPC向け「Night Raid」に加え、試みに重量級の「Fire Strike」を合わせて選択している。
DirectX 12に対応するフルHDベンチマークの「Night Raid」は、ミドルレンジクラスの負荷とあって軽快なスコア。動作中のフレームレートもほぼ30fps以上をクリアできており、タイトル次第ではゲームの快適動作も可能だろう。
その一方で、同じくフルHDながら“ガチ”な負荷がかかるDirectX 11対応の「Fire Strike」では、一転して厳しい結果に。テスト中のフレームレートもせいぜい6fps止まり。ライトなゲームでは問題ないものの、さすがに重量級タイトルには歯が立たないようだ。