エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.979
2021.04.01 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここからはいよいよ実機を用いた、組み込みセッションをお届けする。外装はさくら柄で可憐だが、内部はハイエンド構成にも対応する設計がウリ。このアンバランスな点を楽しみながら、複雑な組み込み方法をポイント別に解説する。
マザーボードの搭載テストには、Mini-ITX規格(幅170mm、縦170mm)のGIGABYTE「B550I AORUS PRO AX」を用意した。ちなみに「MasterBox NR200P Sakura Limited Edition」はMini-DTXにも対応。選択肢は限られるが、エルミタでは以前ASUS「ROG Crosshair VIII Impact」の詳細検証を行っている。ご覧頂くことで、おおよそのサイズ感が掴めるだろう。
左側面上部のフレームは、4本のネジでメインシャーシに固定されているため、組み込み時は一旦外しておくと実に作業がしやすい |
搭載は事前に装着済みのスタンドオフ(台座)に、付属のマザーボード固定用ネジで4箇所を固定するだけ。ちなみにCPUクーラーメンテナンスホールの備えもあるため(後述)、CPUクーラーは後ほど搭載すればいい。実際にMini-ITXマザーボードを搭載させてみると、実に奥行きの半分を占有している事が分かる。
CPUクーラー有効スペースは、高さ155mmまで。空冷の場合、2020年10月に国内市場でも販売が開始された、「Hyper 212 EVO V2」(型番:RR-2V2E-18PK-R1)が高さ154mmだけに、数値上では搭載ができる計算だ。
ただし注意したいのは、強化ガラス製サイドパネルに付け替えた場合、ガラス厚の関係で有効スペースは高さ153mmまでに制限されてしまう。さらにグラフィックスカード垂直マウントを選択すると、高さ76mmまで極端にクリアランスが窮屈になる。こうなるとヘッドが低い水冷構成を選ばざるを得ない。スペック表にもある通り、「NR200P Sakura」には3通りのCPUクーラー有効スペースが存在する。構成パーツを選択する際に、必ず知っておかなければならない。
さくら柄の強化ガラス製サイドパネルに換装すると、グラフィックスカードは垂直マウントにしたくなる。このパターンでは有効高76mmとなり、オールインワン型水冷ユニットが必須になってくる |
CPUクーラーメンテナンスホールは、幅約145mm、高さ約145mmの正方形。検証用マザーボードのバックプレートがきれいに露出できている事が分かる |
電源ユニットの搭載テストには、Cooler Master「V750 SFX GOLD」(型番:MPY-7501-SFHAGV-JP)を用意した。製品名からも分かる通り、80PLUS GOLD認証取得のSFX規格で、外形寸法は幅100mm、奥行き125mm、高さ63.5mm。92mmファンを搭載するフルモジュラータイプだ。
搭載手順は、上部のフックと下部2本のネジで固定されている電源ユニットブラケットを取り外し、「V750 SFX GOLD」をインチネジ固定。これを元に戻せばいい。なおリア上部左に設置されている3pin AC電源インレットからは、内部中継ケーブルが配線されている。長さは約450mmで、「V750 SFX GOLD」の3pinコネクタに接続する必要がある。
電源ユニットブラケットへの固定は、一般的なインチネジ4本を使用。3pin AC電源インレットから伸びる中継ケーブルの接続を忘れずに |