エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1010
2021.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Apexgaming「AJ-850M」 市場想定売価税込11,980円(2021年6月発売) 製品情報(LittleGiant株式会社)(Apexgaming) |
Solytech Enterprise Corporation(本社:台湾)が手がける「Apexgaming」ブランドが日本に本格上陸を果たしてから、もう2年ほどになる。実のところ店頭で製品を見かける機会が少ないことから、それほど知名度が上がったという印象はなかった。PCパーツ系の取り扱い第1弾が格安をウリにする電源ユニット1モデルのみだったこともあり、むしろ“一発モノ”なイメージがあったくらいだ。
日本上陸当初は、PCパーツは電源ユニットの「AG-750M GOLD」のみ。その他はモバイルアクセサリやゲーミングデスクなどの取り扱いからスタートしていた |
ところが実際には、EC市場を主戦場に大躍進を遂げていた。以前に詳細レビューをお届けした「AG-750M GOLD」の1モデル展開だったラインナップは、いつの間にか3モデル(850W/750W/650W)まで増殖。代理店担当者いわく「想像以上のセールスだった」と驚くヒットを記録することに。ECサイトの検索でも決まって安値上位に並ぶApexgamingの名前は、着実に存在感を高めていたというワケだ。
店頭販売も一部行われていたものの、主軸は圧倒的にEC市場。当初の製品展開は「市場での反響次第」とされていたところ、見事にそのハードルをクリアした格好だ |
その成功をもってすれば、第2弾製品の投入も当然と言ったところ。今回取り上げるのは、近日中の店頭販売が決まっている電源ユニットの新製品「AJ」シリーズ。850Wモデルの「AJ-850M」を筆頭に、850W/750W/650Wの3モデルをラインナップする。いずれもECサイトでは、先行して5月末から販売が開始されている製品だ。
それで新しい「AJ」シリーズのトピックはというと、80PLUS GOLD認証を取得した最安クラスのフルモジュラー電源ユニットであるという点が挙げられる。特に850Wモデルの「AJ-850M」は12,000円を割り込む価格設定であり、他ブランド製品に比べて一際お買い得感が高い。
もっともこの立ち位置は既存の「AG」シリーズと丸かぶりしているわけだが、そこは新モデルだけに、“中身”はしっかりと進化を遂げていた。
電源ユニットの国内向け第2弾として投入される「AJ」シリーズ。フルモジュラーのGOLD認証モデルで、なおかつ容量ラインナップも同じであるなど、既存の「AG」シリーズと重なる点は多い |
まず内部構造の話をすると、信頼性の指標として注目される日本製の高耐久コンデンサを100%採用している。従来シリーズは一次側回路にのみ搭載していたことから、純粋に部材のクオリティアップを果たした格好だ。
また、冷却機構には日本製ボールベアリングを採用した140mm静音ファンを搭載。これまた従来シリーズでは対応していなかったセミファンレス機能を備えるなど、機能面の強化が図られている。25℃環境下においてシステム負荷40%までファンを回転させない仕様で、静音性重視のユーザーには嬉しい改良点だろう。
標準的なサイズのパッケージ。背面には多言語の機能解説やケーブル仕様が記載されている |
そのほか、850Wモデルの「AJ-850M」は、+12V仕様が大出力に強い最大70Aのシングルレーン設計。保護回路は過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、短絡保護(SCP)、過電力保護(OPP)、過熱保護(OTP)に対応し、MTBFは100,000時間とされる。低価格モデルながら10年間の長期保証が提供されるなど、手厚いサポート体制も見逃せないポイントだ。