エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1033
2021.08.06 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
2020年11月に検証を行った「AS500」は、発売から半年以上が経過した今でも、売れ筋上位にランクする人気のCPUクーラーだ。当時は「空冷CPUクーラーのダークホース」として取り上げたが、フタを開けてみればダークホースどころか大本命。冷却性能の高さと静粛性、それらのパフォーマンスに見合った売価は、多くの自作派から支持を得た。そして自身の見る目のなさにガッカリする間もなく、今度はバリエーションモデル「AS500 PLUS WH」(型番:R-AS500-WHNLMP-G)が国内デビューを果たしたのである。
AS500 PLUS WH(型番:R-AS500-WHNLMP-G) 市場想定売価税込8,400円(6月25日発売) 製品情報(Deepcool / 株式会社アユート) |
とかく売れ筋製品のバリエーションモデルは、初代の人気にあやかろうという魂胆が見え隠れするワケだが、果たしてここは慎重に見極めたい。「AS500 PLUS WH」は、「AS500」をベースに、冷却ファン、ヒートシンク(放熱フィン、ヒートパイプ、受熱ベース)を全身白ずくめに塗装。ここまでは本筋の冷却性能に大きな違いはないはずだが、製品名に「PLUS」をつける事で、140mmファン「TF140S PWM」をデフォルトでデュアル仕様としている。つまり単に見た目に変化を加えただけでなく、「AS500」では付属品だった「冷却ファン増設用ワイヤークリップ」を使用し、エアフロー増強によるパフォーマンスの向上が主たるコンセプトなのだ。
決して目先の変化だけで済ませないバリエーションモデルは、自社ベースモデルながら「AS500」の”対抗「○」”として予想印を付け、じっくりと実力を見極めてみたい。
外装パッケージは茶箱で製品画像とスペックが表記された腰帯付き。なおサイズは実測で幅235mm、奥行き145mm、高さ180mm |
早速パッケージから本体を取り出し、まずは外観デザインより検証を開始する。昨年後半あたりからだろうか、PCパーツ市場はにわかにホワイトパーツがブーム。その傾向は今現在も継続中で、構成パーツをひとつずつ集めれば、全身ホワイトなPCも構築できるようになった。昔から景気が悪くなると白が流行ると言われるが、さてPC業界にもそんな傾向が反映されているのだろうか。
それはさておき、率直な感想としてホワイトずくめの本体はキレイだ。単にペイントを塗りたくったかのような安っぽさは微塵もなく、マットホワイトは質の高さを感じさせる。
いかにも冷えそうな出で立ちだが、対応ソケットはIntel LGA 2066/2011-3/2011/1200/115x、AMD Socket AM4/AM3(+)/AM2(+)/F2(+)/FM1で、現行CPUのほとんどをカバー。汎用性の高さは単なる物理的な問題のみならず、冷却性能への自信も含まれているのだろう。
左右対象デザインを採用。全幅は2基の冷却ファンを含めて102mmとされる。後ほど装着後の状態をご覧頂くが、隣接するメモリスロットへの干渉は無い点もアピールされている。