エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1055
2021.09.19 更新
文:編集部 Tawashi/撮影:pepe
次に内部構造の詳細を見ていこう。「G-Master Hydro」シリーズ最大のトピックといえばデュアル水冷システム。中でも注目は、GeForce RTX 3080 Tiにカスタマイズされているグラフィックスカードの水冷化だ。冒頭でも触れた通り、GeForce RTX 30シリーズ用に開発された水冷ユニット「Hybrid GFX 240mm LCS」をさらに改良している。水冷化にあたりキモとなる部分ということで、短い時間ながら「G-Master Hydro」シリーズの生みの親であるサイコムのプロダクトマネージャー山田 正太郎氏に話を聞いたのでここで紹介したい。
サイコムのプロダクトマネージャー山田 正太郎氏。話を聞くべく、埼玉県八潮市にある組み立て工場にお邪魔した |
GPUとビデオメモリを一体で冷却する銅板。製造は長年にわたり同社と協力関係にある長尾製作所が担当した |
以上の話を踏まえて、改めて「G-Master Hydro X570A II」を眺めてみよう。240mmラジエターを採用する「Hybrid GFX 240mm LCS」は、よく見るとヘッド部分とGPUの間に特注の銅板が挟みこまれているのが分かる。これによりGPUの周囲に配置されたGDDR6Xメモリを冷却。最大限のパフォーマンスを引き出すことに成功している。
なお、冷却ファンには、静音性を重視するためNoctuaの120mm径ファン「NF-A12x25 ULN」を2基搭載。回転数は1,200rpm、ノイズレベルはわずか12.1dBAというスペックで「静音性を確保しながらも1,600rpm前後の標準的なファンと遜色ないパフォーマンスを発揮する」(山田氏)という。
240mmラジエターはケースフロント側に配置。冷却ファンに採用されるNoctuaの「NF-A12x25 ULN」は、自作派御用達のハイエンドファン。このあたりは実にサイコムらしいパーツチョイスだ |
また、ヘビー級の水冷仕様グラフィックスカードを支えるため、オリジナル設計のサポートステイを標準装備する。スロットの破断に加え、輸送中のカード脱落を防いでくれる。
グラフィックスカードを下支えする、サイコムロゴ入りのオリジナルサポートステイ。拡張スロットを利用するため、目立たないというメリットもある |