エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1083
2021.12.08 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
主役であるPCケースのお話をする前に、11月4日22:00より販売が解禁された第12世代Intel Coreプロセッサについて触れておく必要がある。AMD Ryzen勢の台頭により、ここ数年元気がなかったIntelだが、人気の最上位Core i9-12900Kは検証記事でも分かる通り、圧倒的なパフォーマンスにより一気に巻き返しが始まった感がある。自作PC業界が盛り上がる事は大いに歓迎だが、一方で高い性能の代償に熱処理問題に注目が集まっている。
最上位Core i9-12900Kを安定的に冷却するには、どうやら360mmサイズラジエターの水冷ユニットが必要という認識が広く一般的で、マザーボードメーカーが提供するメディアキットには、決まって360mmサイズラジエターを備えたオールインワン型水冷ユニットがバンドルされている。つまり、第12世代Intel Coreプロセッサの上位モデルを安定的な状態でシステムを構築するには、長尺ラジエターが搭載できるPCケースが必須ということになるワケだ。
PCケースのトレンドは、第12世代Intel Coreプロセッサの最上位が牽引していくことになりそう。360mmサイズラジエターの搭載可否は、良品PCケースの重要なポイントになるはずだ |
冒頭、税込1万円前後で購入できるPCケースは選択肢が豊富とご紹介したが、この条件がクリアできないモデルをふるいにかけると、どのくらいのモデルが残るのだろうか。今後はハイエンド志向のユーザーからのリクエストに応えるべく、三度エアフローと拡張性がポイントになりそうだ。
Deepcool「CG560」(型番:R-CG560-BKAAE4-G-1) 市場想定売価税込9,980円(2021年10月8日発売) 製品情報(Deepcool / 株式会社アユート) |
そして今回の主役であるCG560は、前面に最大360mmサイズラジエターが搭載できるため、第12世代Intel Coreプロセッサ上位機種での構成にも十分対応可能。基幹パーツに掛かるコストが大きくなるだけに、PCケースはコストパフォーマンスに重点を置き、上手にモデルを選定したい。CG560はそんなニーズに応える1台になる可能性を大いに秘めている。
現物に触れる前に、Deepcool「CG560」をスペック表から読み解いておこう。対応マザーボードはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITXとされ、搭載スペースが広く確保されている事が分かる。素材は主素材にABSおよびSPCCを使用。左サイドパネルには4mm厚の強化ガラスも採用されている。
外形寸法は幅230mm、奥行き452mm、高さ470mmで、大型PCケースの目安となる500mmを超す箇所はない。また本体重量は7kg。見た目は一般的なミドルタワーPCケースだけに、極端に重いというイメージではない。なおパッケージサイズは、幅295mm、奥行き512mm、高さ526mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は8.32kg。店頭からの持ち帰りは十分にできるサイズと言えるだろう。
外装パッケージはいわゆる”茶箱”だが、エメラルドグリーンの差し色が映え、一目でDeepcool製である事が分かる。ここ数年で大きく変わった同社のコーポレートデザインは、日本の自作市場にスッカリ定着した感がある |