エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1086
2021.12.16 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Z690 Taichi」が搭載する制御プログラムは、「Taichi」シリーズ専用のデザインを採用する「インタラクティブUEFI」ベースの「Taichi UEFI」だ。主要な設定を一画面で網羅できる簡易モードの「Easy Mode」と、詳細な設定項目が揃う「Advanced Mode」をシームレスに切り替えて使い分けることができる。なお、Windows 11の動作に必要な「TPM2.0」機能は初期状態で有効化されていた。
大まかな設定ならこの一画面だけでまかなえてしまう、簡易モードの「Easy Mode」。メモリのXMP設定やブート設定、簡易のファンコン機能なども設定できる |
「FAN-Tastic Tuning」を起動すると、ファンコネクタごとに回転数や動作パターンを細かく設定できる |
「F6」を押すか該当ボタンのマウスクリックで切り替えることができる、詳細モードの「Advanced Mode」 |
「OC Tweaker」タブにはオーバークロック関連の項目がまとめられている |
PコアやEコアの倍率、メモリクロックやメモリタイミング、XMP設定など豊富な項目が用意されている |
コア電圧やロードラインキャリブレーションといった、細かい設定項目も網羅されている |
「Advanced」タブでは、CPUやチップセット、各種デバイス設定などが行える | GeForce RTX 30シリーズやRadeon RX 6000シリーズのResize-BAR機能も設定可能 |
ASRockのオリジナル機能を収めた「Tool」タブ | ARGBライティングの設定もUEFI上からアクセスすることができる |
I/Oカバー上に搭載されたギア回転ギミックの動作インターバルも設定できるようだ | システムの状態をリアルタイムにモニタリングできる「H/W Monitor」タブ。「FAN-Tastic Tuning」にもここからアクセスできる |
CPUのパフォーマンスをチェックできる「CINEBENCH」系のベンチマークテストを実行し、その際のシステムの挙動をみていこう。
まずスコアの方は、環境こそ違うものの第12世代Coreプロセッサ検証時と同傾向の素晴らしい結果。マルチコア・シングルコアともに旧世代のCore i9を余裕で上回るほか、競合のRyzen 9 5950Xをも超えるスコアをマークしている。
そして動作クロックと温度は長時間のストレステスト「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を実行した際のものだが、安定して4,800MHz~4,900MHzのクロックを維持し続けることができている。さすがは360mmラジエターの水冷ユニットだけあって、CPUの許容温度である100℃に達することはなく、90℃前後までに留めることができていた。Core i9-12900Kをしっかり冷やし切ることで、最高レベルのクロックを維持し続けられているというわけだ。
それではその最中、強力な負荷がかかっていた電源回路はどうなっていただろうか。VRM温度の推移を見てみると、長時間ピーク性能を維持し続けていたにも関わらず、70℃を超えることは一度もなかった。標準装備する冷却ファンがしっかりヒートシンクを冷却できていることが分かる。
また、オプションのファンの有無では最大で3~4℃程度の違いがあり、特に負荷が長く続くほど温度差が開く傾向にあるようだ。ファンを接続することでの騒音はほぼ気にならないため、長時間のゲームプレイなど大きな負荷がかかるシチュエーションでは、ぜひ搭載して動作させたい。