エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1088
2021.12.23 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
サイコム「Silent-Master NEO Z690/D4」 基本構成売価税込285,740円 製品情報(株式会社サイコム) |
一般的なユーザーには実現が難しいデュアル水冷マシン「G-Master Hydro」シリーズのように、自作マニアもうなるBTOを手がけるサイコム。そのもう一つの看板シリーズとして知られているのが、“究極の静音性”を謳う「Silent-Master」シリーズだ。
そのコンセプトは、空冷最強メーカーNoctuaのCPUクーラー・冷却ファンと、高遮音性PCケースを組み合わせた「こだわりの空冷」。シリーズ立ち上げの際や「Silent-Master NEO」へのリニューアルの際は、公的第三者機関の無響室で徹底した静音検証も行っている。独自の検証と構成の追求により、単なる謳い文句に終わらない“本物の静音”を実現しているというわけだ。
「Silent-Master NEO」へのリニューアルの際に実施された、公的第三者機関における無教室検証の様子 |
今回取り上げるのは、第12世代Intel Coreプロセッサを搭載するシリーズ最新作「Silent-Master NEO Z690/D4」。BTOのカスタマイズメニューでは最上位のCore i9-12900Kも選択できるわけだが、ここで問題になってくるのは第12世代Intel Coreプロセッサ特有の熱処理の難しさだ。
従来とは異なるハイブリッド構成が採用された第12世代Intel Coreプロセッサは、電源制御機構も大幅に刷新。より長くピーク性能を引き出すために、組み合わせるクーラー次第ではCPUの最大許容温度に張り付くことも珍しくなく、これまで以上にハイレベルな冷却性能が求められている。
特にCore i9の場合はその影響が甚大で、ショップで購入する際には360mmサイズラジエターの水冷ユニットを勧められるだろう。Noctua製クーラーを搭載するとは言え、はたして空冷で静かに冷やすことは可能なのだろうか。
ここで「Silent-Master NEO Z690/D4」の基本構成を確認しておこう。CPUは第12世代Intel Coreプロセッサの中から、最もベーシックなCore i5-12600Kをチョイス。冷却機構には、Noctua製サイドフローCPUクーラーの定番モデル「NH-U12S」が標準採用されている。グラフィックスカードは、デュアルファンクーラーを備えたオーバークロック仕様のMSI「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」だ。
マザーボードはDDR4版のIntel Z690搭載モデルMSI「PRO Z690-A DDR4」で、メモリはDDR4-3200MHz 16GB、ストレージは2.5インチSSDのCrucial「CT500MX500SSD1」を内蔵。電源ユニットは80PLUS GOLD認証取得の650Wモデル「V650 GOLD V2」で、光学ドライブとしてASUS「DRW-24D5MT」も備えている。
そしてこれらを収めるPCケースには、Cooler Masterの「Silencio S600」を採用。遮音パネルを備えた静音志向のミドルタワーPCケースで、ケースファンにもNoctua製の140mm/120mmファンが組み込まれている。
なお、標準仕様のOSはWindows 10 Home(64bit)だが、増額なしにWindows 11 Homeが選択可能だ。