エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1088
2021.12.23 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては「Silencio S600」のサイドパネルを開放し、その内部構造を確認しよう。なお、編集部に届けられた評価機はCPUが最上位のCore i9-12900Kに変更されていたほか、CPUクーラーやグラフィックスカードなど、搭載パーツの構成にカスタマイズが施されていた。
第12世代Intel Coreプロセッサをベースにした静音BTOマシン。その気になる内部構造を観察していこう |
構成パーツの中でも一際目立つ存在のNoctua製クーラー。爆熱仕様のCore i9に合わせ、デュアルファン構成の「NH-U12A」にアップグレードされていた |
冒頭で触れたように、「Silent-Master NEO Z690/D4」の冷却機構はNoctuaに統一された空冷仕様だ。評価機には第12世代の最上位CPUである16コア/24スレッドのCore i9-12900Kが搭載されており、CPUクーラーもそれに合わせてデュアルファン構成の「NH-U12A」が組み込まれていた。
Noctuaのプレミアムファン「NF-A12x25 PWM」を前後に2基搭載するサイドフロー型クーラーで、ヒートシンクのフィン面積は標準仕様の「NH-U12S」に比べて37%増し。7本のヒートパイプでヒートシンク全体に素早く熱を移動させ、デュアルファンで”熱離れ”を加速させるという設計だ。発売からすでに4年近くが経過しているモデルながら、120mmファン搭載の空冷クーラーとしては、いまだ最強クラスの冷却性能を備えている。
標準採用のクーラーより表面積を拡大したヒートシンク、大型の銅製ベースを貫く7本ヒートパイプで構成。前後を2基の「NF-A12x25 PWM」でサンドイッチにしている |
ちなみにCPUは、第12世代Intel Coreプロセッサの全5モデルを選択可能。Core i9-12900Kに加えて12コア/20スレッドのCore i7-12700Kと10コア/16スレッドのCore i5-12600K(標準仕様)、さらにグラフィックス非搭載のCore i9-12900KF/Core i7-12700KFが選択できる。
また、CPUクーラーのカスタマイズメニューには、上記「NH-U12A」と標準構成の「NH-U12S」に加え、140mmファン搭載の「NH-U14S」がラインナップされている。
評価機はGeForce RTX 3070にアップグレード済み。なおカスタマイズメニューでは、手持ちグラフィックスを流用する場合を想定した“なし”も用意されている |
評価機に組み込まれていたグラフィックスカードは、LHR(Lite Hash Rate)版のGeForce RTX 3070を搭載するMSIの「GeForce RTX 3070 VENTUS 2X 8G OC LHR」だ。「トルクスファン 3.0」を2基搭載したデュアルファンクーラーを採用した高冷却モデルで、セミファンレス機能「ZERO FROZR」に対応。騒音を最小限に抑えたスマートな動作を可能にしている。
動作クロックはブーストクロック1,755MHz。2スロット厚を超える大型クーラーの冷却能力を生かしたオーバークロック仕様になっている。メモリ周りの性能はメモリスピード14Gbps、メモリバス幅256bitで、GDDR6 8GBのビデオメモリを実装。出力インターフェイスはDisplayPort1.4a×3、HDMI2.1×1の4系統を備えている。
厚みのある大型デュアルファンクーラーを搭載する「GeForce RTX 3070 VENTUS 2X 8G OC LHR」。高負荷時でも騒音を抑えつつしっかり冷やし切ってくれそうだ |
なおグラフィックスカードの基本構成は、同じくMSIのGeForce RTX 3060搭載グラフィックス「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」。カスタマイズメニューにはオンボードグラフィックスからRadeon RX 6600 XTなどのRadeonグラフィックス、NVIDIA T1000のようなプロ向けGPUに至るまでをラインナップしている。ただしいずれも静音性とのバランスを考慮したチョイスになっており、GeForce RTX 3080 TiのようなハイエンドGPUを選ぶことはできない。
また、GeForce RTX 3070を選択する際は750W以上の電源ユニットを組み合わせる必要がある点も覚えておこう。