エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1113
2022.03.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
冒頭でも触れたが、2021年の慌ただしい年の瀬に3台のミニタワーPCケースをリリースしたAntec。歴代主要製品には極力触れるようにしているメーカーのひとつだが、さすがに3台まとめてでは体力が持たない。そこで今回チョイスしたのは12月25日発売の「Draco 10」だ。
Antec「Draco 10」 市場想定売価税込6,980円(2021年12月25日発売) 製品情報(Antec / 株式会社リンクスインターナショナル) |
フロントパネルにARGBライティングバーを内蔵し、左側面には4mm厚の強化ガラスを装着。いかにも魅せるPC構築向けのベースモデルで、ミドルタワーPCケースで培った手法をコンパクトな筐体に収めた秀作らしい。ちなみに市場想定売価は税込で約7,000円。比較自体ナンセンスだが、高級化するハイエンド空冷と同等、AIO水冷よりも安価と言ったところで、出来が良ければ”コストパフォーマンスに優れた1台”と相成るワケだ。
エルミタ的には2021年6月に“斜めってる”ミドルキューブ「Dark Cube」をお届けして以来のMicroATX対応PCケース。ひとつずつ丁寧に解説していこう。
なお「Draco 10」は星座を意味する新シリーズ、Constellation Seriesに属する記念すべき1台目で、Antecの本社STAFFに聞いたところ、今後ラインナップを徐々に増やして行く予定とか。ちなみにDracoとはりゅう座のこと。今ひとつピンとこないが、台湾ではポピュラーな星座であるらしい。余談だがCooler Masterのリテールパッケージ向けCPUクーラーが発売される前(汎用緑箱世代)のシリーズ名が「Draco」だった。
本題に入る前に、ここ最近相次いで発売されたAntecのミニタワーPCケースについて触れておこう。今回の主役であるDraco 10は、2021年12月25日より販売がスタート。実はその直前の12月23日には、ヘキサゴン型フロントメッシュ「NX200M」とフロントライティングバー搭載「DP31」の2機種をリリース。昨年末は実に3機種のミニタワーPCケースが発売されている事になる。
NX200M | DP31 |
自作PCの主役は不動のATX規格だが、小型PCマニアは昔から一定数存在する。近ごろではMini-ITXにやや押され気味の感はあるものの、Antecはまだまだ元気なMicroATX規格に注力。年末の新製品リリースラッシュはその象徴であり、新製品Draco 10は、これまでの売れ筋で2019年6月より販売が開始された「DP301M」よりも拡張性が高く、これに置き換わる存在とされている。
Antec「DP301M」・・・2019年6月22日より国内市場で販売がスタートしたMicroATX対応のミニタワーPCケース。外形寸法は幅210mm、奥行き420mm、高さ402mmでほぼ同サイズだが、新モデル「Draco 10」は拡張性が向上されている |
実機に振れる前に、スペック表からDraco 10の概要を確認しておこう。対応フォームファクタはMicroATXとMini-ITXで、ミニタワーPCケースにカテゴライズ。主素材にはSPCC(冷間圧延鋼板)、副素材にプラスチックを採用。左サイドパネルには4mm厚の強化ガラスも使用されている。
外形寸法は幅220mm、奥行き444mm、高さ410mmで、重量は5.3kg。ミニタワーでありながら、幅は200mmを超え、裏配線スペースとCPUクーラー有効スペース(高さ)がミドルタワーPCケース並に確保できている事が想像できる。なおパッケージサイズは幅280mm、奥行き450mm、高さ495mmで、幅以外はミドルタワーPCケース程度のサイズ感。付属品および梱包材を含む総重量は約6.2kgとされ、十分に店頭からの持ち帰りはできそう。