エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1220
2022.11.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずはCPUパフォーマンスへの影響を確認するため、レンダリング系ベンチマークテストの定番である「CINEBENCH R15」を動作させてみよう。比較用としてRyzen 7000シリーズの単体レビューより、前世代のフラッグシップモデルであるRyzen 9 5950Xのスコアをピックアップし、旧環境からの伸びしろも合わせて確認する。
単体レビューのRyzen 9 7950Xと比較してもまったく遜色ないスコアをマークしており、「B650M AORUS ELITE AX」はしっかりCPUの性能を引き出せていることが分かる。前世代のRyzen 9 5950Xとはマルチコアで40%以上引き離す圧倒的な違いがあり、乗り換えのメリットは十分。シングルコアも20%近く上積みされていることから、ゲーミング向けにも期待が持てる結果だ。
続いては、よりメニーコアへ最適化された後継ベンチマークの「CINEBENCH R20」を実行。先ほど同様に、スコアにどのような影響があるのかを見ていこう。
こちらも前世代からマルチコアで40%以上、シングルコアで20%以上の差をマークするなど、段違いの性能を見せてくれた。単体レビューとの比較でも同等のスコアであり、ハイエンドマザーボードと比べても見劣りしない安定性を示している。
最後はメニーコアCPUを前提に設計され、長時間のテストでパフォーマンスを検証する「CINEBENCH R23」の結果を見ていこう。
やはりこれまでのテストと同じ傾向で、前世代からマルチコアテストは40%以上、シングルコアでも25%ほどの性能向上が確認できた。まさにメインストリーム向けCPUでは最高峰のパフォーマンス。単体レビューからスコアが落ちることもなく、シリーズ最上位のCPUでもまったく不安なく動作させることが可能だった。
ちなみにベンチマーク中における電源回路の負担をチェックするため、「CINEBENCH R23」のストレステスト「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:10 minutes」を実行。電源モジュールの温度推移を確認したところ、最大でも55℃に収まる良好な結果をマークした。「B650M AORUS ELITE AX」にとって、ヒートパイプで連結された大型のヒートシンクは自慢の装備の一つだが、その効果が十分に発揮されていることが分かった。
サーモグラフィでアイドル時(左)とベンチマーク実行時(右)を見比べてみる。広大な放熱面積を活かし、効果的にモジュールを冷却できている |