エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1232
2022.12.24 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
高速な一方で発熱の大きさがネックになるNVMe M.2 SSDを冷却するため、「ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI」にはすべてのM.2スロットに専用ヒートシンクを装備している。今回はその中から、両面の冷却が可能な「Double-Sided M.2 Heatsink」を備える最上段スロットにSSDを搭載し、サーマルスロットリングを発生させずに冷やせているかを見ていこう。
検証にあたっては、PCI Express 4.0(x4)に対応するCFD「PG4VNZ」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2M1TPG4VNZ」を用意。「CrystalDiskMark 8.0.4」のデータサイズを64GiB、テスト回数5回に設定し、3回連続でベンチマークを実行した。
「CSSD-M2M1TPG4VNZ」の公称スペックは、シーケンシャル読込7,000MB/s、同書込5,500MB/s、ランダム読込350,000 IOPS、同書込700,000 IOPSというもの。ベンチマークのデータサイズが大きいためランダム性能にはやや影響が出ているが、シーケンシャル性能はしっかり公称値通りの速度が出ている。最大温度は55℃未満に抑えられており、当然ながらサーマルスロットリングも発生していない。
今回ヒートシンク周りは無風の状態で検証を行っているが、それでもここまで低い温度に抑え込めている点はさすが。パフォーマンス低下の心配をすることなく、存分にNVMe M.2 SSDの性能を発揮させることができる。
合わせてサーモグラフィーをチェックしてみると、ベンチマーク動作時(右)はしっかりコントローラの発熱が伝わり、ヒートシンクの表面温度は40℃前後まで上昇していた |
最も売れ筋になる可能性を秘めた自信作、ASUSいわく“ヒーローモデル”と期待されているのが「F GAMING」シリーズの最新作「ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI」だ。電源への要求が増した第13世代CPUに最適化した設計により、さらに信頼性が向上。大規模な冷却機構や重厚な基板構造など、マザーボードに求められる要素が高水準にまとまっている。それらにシリーズの精神を引き継いだASUSらしい優れたデザインが融合、看板シリーズの最新作に相応しい完成度の高いマザーボードに仕上がった。
さらに6GHzへの国内正式対応がアナウンスされた初のモデルでもあり、ネットワーク性能を重視するユーザーにとっても大注目。開発期間に1年をかけたという「PCIe Slot Q-Release」やネジ不要でSSDを固定できる「M.2 Q-Latch」など、引き続き搭載された独自機能は、どれもユーザーの利便性を追求した技ありの装備ばかり。すっかり高騰してしまった価格はマザーボード業界全体と共通するネガティブ要素ながら、安心して長く使える便利な鉄板モデルという立ち位置は、新世代でも変わらないだろう。
協力:ASUS JAPAN株式会社