エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1248
2023.01.29 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次にボトムカバー内部後方に、電源ユニットを搭載してみる。搭載テストには以前詳細検証をお届けした、Antec「NE850GM」を用意。フルモジュラータイプの80PLUS GOLD認証モデルで、ミドルレンジとハイエンドの中間を、余裕を持って埋める存在として良いチョイスだろう。セミファンレス機能を備えた120mmファンを内蔵。奥行きは140mmで扱いやすい。
搭載手順は、一度取り外した後方の枠に電源ユニットをネジ留め。これを搭載スペースに滑り込ませ、枠をシャーシに固定すれば作業は完了。前後にスライドできる事でフルモジュラー式電源ケーブルの抜き挿しがしやすく、組み込み作業はもとより、構成パーツを増設するシーンで利便性の良さが実感できるだろう。
取り外した枠に電源ユニットをネジ留め。NE850GMでは固定用にハンドスクリューが同梱されている | 底面ダストフィルターが電源ユニットをフルカバー。取り外しは後方スライド式 |
約220mmの搭載スペースに奥行き140mmのNE850GMを固定。数値通り、シャドウベイユニットまでは約80mm弱の空きスペースを確保。シャドウベイユニット上部もケーブル置き場など有効に活用できそうだ |
CPUの冷却にはオールインワン型水冷ユニット、Antec「Vortex 360 ARGB」を用意した。近頃ではサイドフロー型CPUクーラーで、高冷却ながらコストパフォーマンスにも優れた製品に人気が集まっている。それをよそに、P20Cではトップ面に最大360mmサイズラジエーターが搭載できることから、今回は確実に高いレベルでの冷却システムが必要というハイエンド志向なユーザーを想定。大型ラジエーター採用の「Vortex 360 ARGB」をチョイスした。
ちなみにフロントパネルも360mmサイズラジエーターがサポートされているが、出荷時より120mmファンが3基搭載されているため、ここは敢えて触らずとした。
「Vortex 360 ARGB」は市場想定売価税込20,980円で2022年12月3日発売。240mmサイズラジエーターの「Vortex 240 ARGB」(市場想定売価税込16,980円)も同時発売されている |
360mmサイズラジエーターのサポートはその通りだが、実際には全長397mmになるだけに、開口部に対して斜めに傾けての挿入後、トップパネル上面からネジ留めを行った。収めてしまえばもちろん問題はなく、見た目にもキレイに収まっている。注意点としてはラジエーター搭載ファンのケーブルは、トップパネル固定前にスルーホールに通しておくこと。P20Cはもとより、Vortex 360 ARGB特有の問題ではなく、長尺ラジエーターを扱うなら(そうでなくても)心得ておく作業と言える。
ラジエーターを固定するネジ穴(スリット)には段差が設けられており、マグネット固定式ダストフィルターはフラットな状態で装着できる |
その他、搭載について気になる点はなく、ポンプ一体型ウォーターブロック(直径67mm、高さ48.5mm)もマニュアルの指示通りの手順で簡単に固定する事ができた。
こちらは起動テスト時の様子。渦をモチーフにしたポンプヘッドと16個のARGB LEDを内蔵した120mmファンで構成したVortex 360 ARGBは、冷却性能のみならずPCケース内部を美しい光りで彩る圧倒的存在感がある |
ARGBイルミネーションでもっと装飾したいなら、フロントファンを「Prizm X 120 ARGB 3+C」に換装する手もある。パッケージには3基の120mmファンとARGB LEDコントローラを同梱。市場想定売価は税込8,980円 |