エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1279
2023.04.24 更新
文:編集部:池西 樹・絵踏 一/撮影:pepe
ここからは「C27CQ4 E2」をPCに接続して、その動作をチェックしていこう。「C27CQ4 E2」では、HDMI接続時が最高144Hz、DisplayPort接続時には最高170Hzの高リフレッシュレートに対応するが、安定して高いフレームレートを維持するためにはPCの性能も要求される。そこで今回検証用のPCには、Intel Core i7-13700KFとNVIDIA GeForce RTX 4080を組み合わせたハイエンドゲーミングPC「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意した。なおこのモデルの詳細については、以下のレビューをあわせて参照いただきたい。
3,000:1の高コントラストなVAパネルを採用する「C27CQ4 E2」では、IPSパネルやTNパネルの液晶ディスプレイに比べて、鮮明かつメリハリのある映像でゲームや動画を楽しむことができる。また湾曲パネルでは左右端の色味の変化が大きいという特性があるものの、両端が内側に湾曲していることから中央から見る分にはほとんど色味の変化は気にならなかった。
ゲーマー向けを謳う液晶ディスプレイではもはや必須機能になっている「ナイトビジョン」。有効にすると暗いシーンの視認性を大きく改善できるため、薄暗いシーンなどで敵と遭遇した場合でも見逃すことなく対応できるようになる。なお効果は5段階から選べるため、ゲームに合わせて選択するといいだろう。
ハイダイナミックレンジ(HDR)を有効化すると、従来のスタンダードダイナミックレンジ(SDR)に比べてより幅広い明るさを表現できる。これにより、暗い部分の黒つぶれや、明るい部分の白飛びを抑えつつ、よりリアルな描写が可能になる。ただしHDRは対応するゲーム(コンテンツ)の特性や、液晶がもつ輝度性能、対応規格によって大きく見え方が変わるため、必ずしも期待する見え方にならないものもある。ゲームではHDRの切り替えができるものも多いため、納得した映像にならない場合は無効化しても問題ない。
テストセッションのラストは、リフレッシュレートの違いを体感するためレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/170Hzの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
リフレッシュレート60Hzではややゴーストが発生するが、120Hz以上では完全に解消されている。またオーバークロック動作になる170Hzでも、オーバーシュートによる破綻は発生せず、リフレッシュレートが高速になればなるほど映像は滑らかになる。
安定したフレームレートを維持できるPCが必要になるものの、170Hzまで対応するDisplayPortにはゲーミングPCを、144Hzまでの対応になるHDMIにはPlayStation 5などのコンシューマゲーム機を接続しておけば、いずれの環境でも「G27CQ4 E2」の性能を存分に引き出すことができる。
GeForce RTX 40シリーズの登場、さらに新しい超解像技術のDLSS3でより一層負荷を軽減できるようになったことで、ゲーミング液晶に求められる性能も変わってきた。シリーズで最も手頃な選択肢であるGeForce RTX 4070でも、重量級タイトルのWQHDプレイで高フレームレートを叩き出しており、リフレッシュレート170Hzクラスの性能がフルに活かせる。そうしたちょうどいいポイントを押さえている「G27CQ4 E2」は、GeForce RTX 40シリーズを絡めた最新のゲーミング環境にマッチした存在だ。
また、曲面パネルの没入感を試してみたいという、曲面ゲーミング液晶の入門者にもピッタリ。キツすぎない曲率も相まって、未経験でも違和感なく馴染めるはずだ。メリハリの効いた鮮やかな色彩が楽しめる高コントラストな特性もまた、ジャンルを問わず恩恵あり。バランスのとれた性能を手頃なコストで手に入れたいというミドルユーザーにとって、「G27CQ4 E2」は要チェックな存在と言える。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社