エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1288
2023.05.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「A620M PRO RS」には、1スロット分のM.2ヒートシンクが標準装備されている |
CPU直結のM.2スロットに標準装備された、専用ヒートシンク「M.2 ARMOR」の冷却性能も合わせてチェックしておこう。NVMe M.2 SSDはアクセス時におけるコントローラの発熱が大きいことから、サーマルスロットリングによる性能低下を避けるために放熱用のヒートシンクが必須になっている。
「M.2 ARMOR」はその役割を果たせているのか、ベンチマークテストの「CrystalDiskMark 8.0.4」を動作させた際の挙動を確認する。SSDはPCI Express 4.0(x4)に対応するCFD「PG4VNZ」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2M1TPG4VNZ」を用意。テストのデータサイズ64GiB、テスト回数を5回に設定し、3回連続でベンチマークを動作させている。
「CSSD-M2M1TPG4VNZ」のスペックはシーケンシャル読込7,000MB/sec、同書込5,500MB/sec、ランダム読込350,000 IOPS、同書込700,000 IOPSというもので、ベンチマークではほぼ公称値通りのシーケンシャル性能をマークしている。
データサイズが大きいためランダム性能に影響は出ているものの、それだけの負荷がかかった状態でもコントローラ温度は最大70℃程度。サーマルスロットリングが発生することなく3連ベンチマークを完走することができた。
アイドル時 | 「CrystalDiskMark 8.0.4」動作時 |
従来のミドル~ハイエンドチップセット搭載モデルに比べ、大幅に安価なエントリーチップセットの登場もあり、AMDの最新プラットフォームによる自作はぐっと身近になった。折しもゲーミング用途に最適なRyzen 7 7800X3Dがリリースされたこともあり、価格を抑えつつパフォーマンスに優れたマシンを組みたいという自作マニアにとっては朗報と言える。
その一方で、安いものでは1万円台から購入できるAMD A620マザーボードの中には、電源回路や冷却面に不安が残るモデルも少なくない。その点今回検証を進めてきた「A620M PRO RS」は、2万円前後の手頃な価格ながら電源周りや冷却が充実しており、Ryzen 7 7800X3Dとの組み合わせにはピッタリだ。
高速インターフェイスがない点など価格なりの点はあるものの、MicroATXマザーボードと言えどメモリやストレージ搭載能力にも制限はなく、扱いやすさが光る。AMD A620搭載モデルの中でも、手頃なコストの鉄板モデルとして売れ筋になりそうな1枚だ。
協力:ASRock Incorporation