エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1325
2023.08.18 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Apexgaming「STP-1650M」 市場想定売価税込42,980円(2023年8月発売) 製品情報(Apexgaming) |
Solytech Enterprise Corporation(本社:台湾)が展開するゲーミングブランドのApexgamingが日本に本格上陸を果たしてから、もうすぐ4年。その当時に詳細レビューをお届けした電源ユニットは、なんといまでも息の長い売れ筋としてショップの棚に並んでいる。
ロングセラーの理由といえば、ズバリ圧倒的なコストパフォーマンス。際立つ格安の価格設定と、いわゆる“お値段以上”な信頼性から、コスト面に目配りしつつも安定性に妥協したくない向きにウケているというわけだ。
以前に詳細レビューをお届けした「AG-750M GOLD」や「AJ-850M」は、登場当時も圧倒的コスパで話題になったモデル。発売から数年が経ったいまでも、格安の売れ筋モデルとして売り場での地位を保っている |
【関連記事】侮るなかれ最安モデル。圧倒的コスパのフルモジュラー電源、Apexgaming「AG-750M GOLD」(2019.09.12 更新)
【関連記事】Apexgaming「AJ-850M」検証:フルモジュラーGOLD電源の新たな“最安キング”誕生か(2021.06.15 更新)
そのApexgamingから、最新規格のATX 3.0に準拠した80PLUS PLATINUM認証電源「ODIN」シリーズが登場。容量ラインナップは1650Wと1200Wの2モデル展開で、今回は1650Wモデルの「STP-1650M」を主役として取り上げる。
最大のトピックは、やはり市場想定売価で約4.3万円という格安の価格設定だろう。ATX 3.0に準拠する1500W以上の80PLUS PLATINUM認証電源としては、ぶっちぎりと言っていい安さ。本来このクラスの環境に手を出す層は少数派であろう前提を覆し、超大容量電源ユニットに対するハードルを大幅に引き下げてくれる存在になりそうだ。
新たに国内市場に投入されることになった、フラッグシップ電源の「ODIN」シリーズ。80PLUS PLATINUM認証を取得したATX 3.0対応の電源ユニットで、最大1650Wモデルをラインナップしている |
もちろん単に安さのみが光る製品ではなく、ウルトラハイエンドらしい堅牢な内部設計も大きな特徴。基本設計はフルブリッジLLC回路とDC-DCコンバータの組み合わせで、コンデンサには一次側・二次側ともに日本メーカー製の105℃コンデンサを100%採用する。
また、シングルレーンの+12Vは最大出力137.5Aに達するパワフル仕様。PCI Express 5.0対応の12VHPWRコネクタも2系統を出力できるモンスター構成を誇る。ケーブル仕様はフルモジュラータイプで、そのすべてにエッチング処理が施されたスリーブ調のケーブルが使用されている点も要チェックだ。
格安モデルとは思えない、化粧箱を採用した「STP-1650M」のパッケージ。各種仕様は帯部分に記載されている |
そして冷却機構には、高耐久なダブルボールベアリングを採用した140mmファンを搭載。システム負荷30%未満でファン回転を停止させる、セミファンレスの「ECO Mode」にも対応する。この機能は背面のスイッチでON/OFFを切り替えられる仕様になっており、常時回転も選択可能だ。
そのほかOPP(過負荷保護)/OVP(過電圧保護)/UVP(低電圧保護)/OCP(過電流保護)/OTP(過熱保護)/SCP(短絡保護)の各種保護回路を搭載し、MTBFは100,000時間以上。メーカー保証は12年の長期保証が提供される。