エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1365
2023.12.02 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは大判の両サイドパネルを取り払い、DARK BASE PRO 901の内部構造を掘り下げて行く。ご紹介する項目がふんだんに用意された外装周りだったが、その倍はあるだろう内部構造。可能な限り、細部までじっくりと解説しよう。
左側面よりマザーボードトレイをチェックすると、出荷時よりスタンドオフが9本装着されていた。うち中央の2段目はマザーボードの位置決めができる段差が設けられている。
なおDARK BASE PRO 901はE-ATX規格にも対応している。実際に搭載する場合は、マザーボードトレイ右手の縦列に装着されているケーブルカバーを取り外す必要がある。手順はマザーボードトレイ右手のパネルを外し、付属の「E-ATX cable management cover」を固定。これを元の場所に固定した後に、2本のネジで固定されたケーブルカバーを外す。これでマザーボードトレイの面積がE-ATX規格用に拡大し、ケーブルを隠すカバーも新たに設置ができる。
COMPUTEX TAIPEI 2023のブースレポートでお伝えしているが、DARK BASE PRO 901はマザーボード倒立レイアウトへの変更にも対応している。実際に運用されるのかは議論の対象ではないが、ご紹介している以上は試す義務はあるだろうと考えた。
ブースレポートで触れているが、マザーボードトレイは4本のネジだけで固定。取り外したトレイを180°回転させ、スライドレールへ逆方向から挿し込めば倒立レイアウトにはなる。ただこれだけでは終わらず、各2本のネジで固定されているマザーボードトレイ右手のサイドパネルと支柱も一旦取り外し、付け替える作業が残されている。
不思議なことに、その方法がマニュアルに記載されていないため、構造を理解しなければ厄介な状況になる。どうしても倒立レイアウトにしたい人、さらに多少のスキルが要求される事を承知の上でチャレンジしてほしい。
作業にはマザーボードトレイ、マザーボードトレイ右手のサイドパネル、支柱を全て取り払う必要アリ。やや面倒な作業だが、設計自体は無駄がなく工作精度も良好。なにより空の状態のフレームは頑丈で、大型PCケースだけにDARK BASE PRO 901は非常に剛性が高い構造物である事が分かった |
現代のミドルタワーPCケースでは標準装備のボトムカバー(シュラウド)。大型PCケースの内部容積を生かし、ボトムカバー内部高は標準的なミドルタワーPCに比べ約10mm高い約105mm確保されていた。内部は前方がシャドウベイユニット、後方が電源ユニットの各居住スペースで、天板の前方は着脱式パネル仕様だった。
また左側面中央には製品ロゴをあしらい、フロントパネルから伸びるアドレサブルRGBイルミネーション「ARGB LEDストリーム」が直線上に後方まで内蔵されている。さらにユニークなのは、左側面のパネルが工具不要で取り外しができること。
プラスチック製の側面カバーは、ちょうど製品ロゴの上に2つのツメがあり、これを解除することで外れる仕組み。ちなみに内部前方には「ARGB LEDストリーム」の電源供給用にコネクタが接続されているので、無理に引き剥がすと断線する恐れがある。そう取り外す事も無いだけに、ここまでポゴピンを使う考えはなかったようだ。