エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1413
2024.04.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
ここからは「Silent Master PRO Z790/D5」のサイドパネルを開放し、どのようなパーツが組み込まれているのか、その内部構造をチェックする。編集部に届けられた評価機は、CPUやグラフィックスカードをはじめ、主要パーツがいくつか基本構成からカスタマイズされているようだ。
ちなみにサイコムのカスタマイズページは、数あるBTOベンダーの中でも際立って情報量が多く、メーカーやモデル名までが詳細に記載されている。ユーザー自身が棚からパーツを一つ一つ選ぶような感覚で、細かく構成を選べるのが特徴だ。
サイコムのカスタマイズページには、先ごろ新たに「クリップボードへコピー」機能が追加。カスタマイズ内容をURLとして出力できる機能で、変更内容を保存しておきたい場合のほか、構成をシェアしたり問い合わせの際にも便利に使える |
「Silent Master PRO Z790/D5」に搭載されているCPUは、PBP35Wで動作する低電圧版の第14世代Intel Coreプロセッサだ。基本構成は20コア/28スレッドのCore i7-14700T(最大5.2GHz)だが、評価機には24コア/32スレッドの最上位モデルCore i9-14900T(最大5.5GHz)が組み込まれていた。
どのモデルもサイコムの独自チューニングにより、PL1が55W、PL2が106Wの値へとそれぞれ設定変更済み。製品化の過程における多くの試行錯誤の末に導き出された、可能な限りのパフォーマンスを引き出すための最適な設定が適用されている。
なおカスタマイズメニューでは(やはり低電圧版の)第13世代モデルもラインナップされているものの、価格差はほとんどないため、基本的に第14世代モデルからのチョイスで問題ないだろう。
そしてそれらCPUの冷却を担うのは、Noctuaによるファンレスクーラーの「NH-P1」だ。現状ではほぼ唯一の実用的なファンレスクーラーであり、自然対流でも空気がスムーズに流れるように広いピッチでフィンが配置されている。整然と並んだフィンとヒートパイプから感じられる、工作物としての美しさも大きな魅力だ。
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また先ほど触れたように、PCケース内の冷却ファンは、フロントからリアまで同一直線上に配置。直線的なエアフローを構築することで、その途上にあるファンレスクーラーの放熱に役立てようという狙いがある。