エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1417
2024.05.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
サイコム「Lepton Hydro WSX670A」 基本構成売価税込544,870円(2024年4月4日発売) 製品情報(サイコム) |
サイコムのBTOと言えば、水冷や静音のゲーミングマシンが主力として知られているところ、実はプロフェッショナル向けのワークステーションも展開している。そのラインナップにこのほど追加されたのが、CPUとグラフィックスカードの両方を水冷化した「Lepton Hydro」シリーズだ。
ワークステーション向け製品としては異例の仕様で、CPUとグラフィックスカード両方をオリジナル水冷化した |
新シリーズは、第14世代Intel Coreプロセッサを搭載する「Lepton Hydro WSZ790」と、AMD Ryzen 7000シリーズ搭載の「Lepton Hydro WSX670A」、AMD Ryzen Threadripper 7000シリーズを採用した「Lepton Hydro WSTRX50A」からなる、合計3モデル展開。CPUはそれぞれAsetek製クーラーをベースにカスタマイズを施したオールインワン型水冷ユニットで冷却するほか、グラフィックスカードは同じくオリジナル水冷化したGeForce RTX 4080 SUPERが組み込まれる。
ちなみになぜGPUにGeForce RTX 4080 SUPERが採用されたのかと言えば、AI推論におけるNVIDIA RTX 6000 Ada匹敵のパフォーマンス(サイコム検証)によるものだ。それでいて相場におけるカードの価格は半値以下という、コスト面の優位も見逃せない。
AI推論ベンチマークでNVIDIA RTX 6000 Ada級のパフォーマンスを発揮するGeForce RTX 4080 SUPERを採用 |
こうした構成により、相応のスペックが要求されるネットワークレンダリングのクライアントにも最適な、パワフルなマシンが完成。ハイエンドなビジネスソリューションに加えて、研究室などへの導入やクリエイターへの需要に対応することも想定されている。
そして主要な熱源の動作温度を低く保てるデュアル水冷仕様は、長時間のタフな運用が想定されるプロフェッショナル用途にピッタリ。「Lepton Hydro」シリーズは、PCを酷使するシチュエーションにこそ真価を発揮するPCと言える。
今回サイコムから編集部に届けられたのは、「Lepton Hydro」シリーズのAMD(Raphael)モデル「Lepton Hydro WSX670A」だ。まずはここでその基本構成を頭に入れておこう。
CPUは16コア/32スレッドのRyzen 9 7950Xを搭載。その冷却には、240mmラジエーターにNoctua製ファンをマウントした、Asetek製オールインワン型水冷ユニットのカスタムモデルが採用されている。そしてグラフィックスカードは、やはりAsetek製水冷とNoctuaファンを組み合わせた、オリジナル水冷仕様のGeForce RTX 4080 SUPERだ。
マザーボードはASRockのAMD X670Eチップ搭載モデル「X670E Steel Legend」で、メモリはDDR5-4800 64GB(32GB×2)の大容量を実装。ストレージはPCI Express 4.0(x4)に対応するCrucial「T500」シリーズの1TBモデルを内蔵している。
また、PCケースはE-ATXに対応するAntecのミドルタワーモデル「P20CE」で、電源ユニットは同じくAntecから80PLUS GOLD認証取得の「NE850G M」をチョイス。ワークステーションらしくハイエンドなパーツで固められ、標準でマシマシな構成になっているのが印象的だ。