エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1420
2024.05.10 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
冒頭からあまり褒めると、これから進める検証内容が訝しげに思われる可能性があるものの、筆者にとっては理想的なPCケースが完成した。今回の主役「The Tower 300」は、2024年1月9日にグローバルリリースが配信され、4月19日より国内市場での販売が開始された。数えること、Thermaltake「The Tower」シリーズでは5番目の機種となり、歴代最もコンパクトなMicroATX対応のミニタワーモデルに仕上げられている。
国内発売を間近に控えた3月9日(土)には日本ギガバイト株式会社との共同イベント「Thermaltake 25周年新製品発表会 powered by GIGABYTE」が開催され、会場には実機が登場。来場者からの評判はもとより、レポート記事も多くのアクセスがあり、高い注目を集めた。
Thermaltake 25周年新製品発表会 powered by GIGABYTE」で最も注目されたThe Tower 300」 |
筆者が前のめりなのは、外観スタイル。この手のPCケースは過去にゼロではないが、モデルを象徴する「八角柱デザイン」を形成するキャラクターラインと、「ショーケース」とも表現される開放的な強化ガラス面は、イマドキのPCケースのどれとも似ていない。そして詳しくは後に紹介するが、横置きにできるスタンドがオプションで用意されているあたりは、なんとも心憎い。
劇的に進化しにくい手詰まり感のあるPCケースにおいて、「まだまだやれることがある」とメッセージが込められているのがTher Tower 300なのだ。なお本稿では国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)より届けられたホワイトモデル「The Tower 300 Snow」(型番:CA-1Y4-00S6WN-00)を使い、検証を進めていく。
Thermaltake「The Tower 300 Snow」(型番:CA-1Y4-00S6WN-00) 市場想定売価税込22,980円前後(2024年4月19日発売) 製品情報(Thermaltake/株式会社アスク) |
最後に歴代「The Tower」シリーズのラインナップを確認しておこう。今回のThe Tower 300は既存モデルの中間に位置し、全機種を一列に並べるとバランスもよく、あたかもシリーズが完結したようにも見える。なお発売時期を順に見て行くと、900(2017年4月)→100(2021年2月)→500(2022年8月)→200(2023年8月)→300(2024年4月)となり、The Tower 100から勢いがつき、Thermaltakeも本気でシリーズを充実させていく事になる。
ちなみにエルミタでは、The Tower 100のみ検証を行っている。興味のある方は是非ご一読頂きたい。
ここでThe Tower 300のカラーバリエーションをご紹介しよう。発売当初から豊富なカラーバリエーションを用意するあたりは、熱心な自作派からは歓迎されるだろう。やはり手軽なサイズのミニタワークラスであれば使い手(=ユーザー)の想定もしやすく、堅苦しさの無いポップなイメージはこのモデルによく似合う。The Tower 300の楽しさはカラー選択から既に始まっている。
BumblebeeとHydrangea Blue(画像左)は、Amazon専売モデル。今後、ピンクやレッドなどのバリエーション追加に期待 |
なお株式会社アスクからはBlack、Turquoise、Racing Green、Matcha Greenの4色が全国の販売店およびオンラインサイトで販売。BumblebeeとHydrangea Blue(紫陽花色)の2色はAmazon専売モデルとされる。
次にスペック表から、The Tower 300の概要を把握しておこう。対応マザーボードはMicroATXとMini-ITXでとなり、一般的な区分けとしてはミニタワーPCケースになる。一方で八角柱の特殊デザインから、外形寸法は幅342mm、奥行き281mm、高さ551mmとされ、数値からは比較的大きな筐体である事が分かる。最も多く流通しているATX規格対応のミドルタワーPCケースの場合、幅が250mm以下で収まり、奥行きおよび高さはおよそ500mm以下が一般的だ。幅342mmは思いの外場所が必要で、いわゆるフットスタンプは小型PCケースの感覚とは離れているため、事前に設置場所は想定しておいたほうが良さそうだ。