エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1499
2025.01.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ASRock「B850 Steel Legend WiFi」 市場想定売価税込44,980円(2025年1月7日発売) 製品情報(ASRock) |
日本ではまだ正月休みの余韻が抜けない新年早々、遠くラスベガスの地では世界最大級のITエレクトロニクスショーであるCES 2025が開幕。AMDも「Ryzen 9 9950X3D」をはじめとする最新CPUに加えて、最新GPU「Radeon RX 9070」シリーズも発表するなど、見どころ満載の年明けとなった。
【関連記事】AMD、3D V-Cache搭載の最上位「Ryzen 9 9950X3D」やRDNA 4採用GPU「Radeon RX 9070」シリーズ発表(2025.01.07 05:00 更新)
その影にやや隠れるようにして、マザーボードにもニューカマーが登場している。それが今回取り上げる「B850 Steel Legend WiFi」をはじめとする、新チップセット「AMD B850」を搭載するマザーボード群だ。
ミドル向けの新チップ「AMD B850」を搭載するマザーボードが登場。「B850 Steel Legend WiFi」は発売初日から市場に投入された |
これまでRyzen 9000シリーズ向けチップとして展開されてきたAMD X870(およびそのデュアルチップ版であるAMD X870E)の下位にあたるチップセットで、ユーザーにとってはよりリーズナブルな選択肢が追加された格好。さらに低価格なAMD B840搭載モデルも同時にリリースされており、こうしたミドル・エントリー向けのラインナップを待っていたという人も多いのではないだろうか。
人気シリーズの最新作である「B850 Steel Legend WiFi」は、AMD B850マザーボードのラインナップにおける最上位グレードの製品に位置付けられている |
ASRockからはローンチ時点で全14モデルがリリースされており、そのすべてがAMD B850搭載マザーボードで占められている。中でも今回主役としてピックアップした「B850 Steel Legend WiFi」は、特に耐久性の高さにフォーカスして設計された人気シリーズ「Steel Legend」の最新作。約1年前に発売された、AMD B650搭載モデル「B650 Steel Legend WiFi」の直接的な後継にあたる製品だ。
電源回路はCPU仕様から割り出された最適構成という、80A Dr.MOS採用の14+2+1フェーズを搭載。回路規模こそ前世代と変わらないものの、搭載されている「20Kブラックコンデンサ」は(サイズはそのままに)静電容量が560uFから1,000uFに拡張されている。
「Steel Legend」シリーズ最大の特徴は強靭な電源回路。中でも超長寿命の「20Kブラックコンデンサ」は、他メーカーの追随を許さない耐久性を誇る |
これは大手部品メーカーと共同開発を行った特別製で、105℃環境下ですら2万時間動作するという驚きの耐久性を誇る。メーカー担当者いわく「事実上ほぼ半永久的に使えると言っていい耐久性」を備えており、タフさではフラッグシップモデルと比べても引けを取らない。同じサイズで倍の容量が確保できることから部品点数を減らすことが可能になり、故障リスクが軽減されるというメリットもある。
これまでミドル向けチップ搭載マザーボードには導入されていなかった、複数の便利ギミックを備える点も特徴だ |
また、高品質な8層PCBと表面実装技術により、メモリは前世代モデルより高速な最大8,000MHzに対応。ストレージはPCI Express 5.0対応の「Blazing M.2」を含め合計4基のM.2スロットを搭載、その内3基にはヒートシンクを装備している。
「Blazing M.2」スロットは銅箔層を多く含むPCBにSSDの熱を逃がす「M.2ボトムヒートシンク」を底部に備えるほか、上位チップ搭載モデルと同じツールレス脱着の「Toolless Multi-Layer M.2 Heatsink」が新たに導入された。
そして同じくPCI Express 5.0に対応する拡張スロットは、グラフィックスカード用クイックリリース機構の簡易版と言える、大型ラッチの「ライト・リリース・デザイン」を採用。ミドルレンジ向けモデルながら、最新世代らしく利便性向上のための便利ギミックを複数備えている点は好印象だ。
PCBカラーのようなホワイトのパッケージ。背面には電源回路やM.2ヒートシンクなどのトピックに加え、各種スロットやコネクタの仕様が網羅されている |
そして最大転送46GbpsのWi-Fi 7に対応した点もまた、前世代からのアップグレード要素。さらに合計11基のUSBポートをバックパネルに備えるほか、高ポーリングレートのゲーミングマウス・キーボードの性能をフルに発揮できる低ジッター・低レイテンシの「Lightningゲーミングポート」搭載するなど、充実したインターフェイスもトピックだ。