エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1499
2025.01.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「B850 Steel Legend WiFi」には、PCI Express 5.0対応SSDの爆熱仕様に対抗するため、専用ヒートシンクの「Toolless Multi-Layer M.2 Heatsink」が装備されている。さらに銅を多く含むPCBの特性を活かしてPCBにSSDの熱を逃がす「M.2ボトムヒートシンク」と組み合わせて、SSDを上下から冷やすというアプローチだ。
実際にPCI Express 5.0対応SSDを問題なく冷却できるのかどうか、「CrystalDiskMark 8.0.4」を実行して確かめて見ることにした。なお検証にあたっては、Team「T-FORCE Z540」シリーズの2TBモデル「TM8FF1002T0C129」を使用している。
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「TM8FF1002T0C129」の公称スペックをおさらいしておくと、シーケンシャル読込最大12,400MB/s、書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、書込140万IOPSというもの。PCI Express 5.0(x4)対応SSDの中でも高速な部類に入る製品だが、「CrystalDiskMark」の結果は公称値と同等かそれ以上という、良好なスコアをマークしていた。
そして3回連続でベンチマークを実行した際の挙動を見ていくと、2回目のテスト後半から70℃を上回るシーンがあり、サーマルスロットリングが発生している。しかしここまで大容量データを連続して書き込むシチュエーションはあまりないことから、実用レベルではまったく問題のない冷却性能を発揮できているようだ。
高負荷時はヒートシンク全体がしっかり受熱することで、アイドル時に比べて表面温度も50℃台半ばまで上昇している |
AMD B850チップは前世代のAMD B650から大きく仕様が変わっていない。しかしマザーボード自体に変化がないかと言えばそうではなく、「B850 Steel Legend WiFi」には実際に運用する上で見逃せない、複数のアップグレードが施されていた。
シリーズの特徴になっている電源周りはさらに強化され、最新世代らしく大幅な大容量化を遂げた特別製のコンデンサを導入。上位チップ搭載モデルと同等のツールレス機構付きM.2ヒートシンクは、PCB放熱を絡めた技あり仕様だ。
グラフィックスカード向けのツールレス脱着機構はコスト面から導入が見送られたものの、新たにミドルレンジ向けにアレンジされた大型ラッチでカバー。より高速なオーバークロックメモリやWi-Fi 7が利用できる点も含め、使い勝手の良さとシリーズ特有の耐久性はさらに向上した。
ハイエンドモデルに比べれば、各部位のスペックや搭載機能に多少の差があるのは確か。しかし最新世代のマザーボードとして注目の機能は高いバランスで網羅されており、何よりフラッグシップにも匹敵するタフさは魅力的だ。人気シリーズの最新作らしく練られた設計であり、高耐久なホワイト系マザーボードを求める向きにも大注目な製品と言える。
提供:ASRock Incorporation