エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1502
2025.02.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「TUF GAMING B860-PLUS WIFI」は、前世代と異なりPCI Express 5.0対応のM.2スロットを搭載する点がトピックの一つであり、その冷却のために専用ヒートシンクを装備している。もっともミドルレンジ向けモデルとあって、その形状はかなりのスリムデザイン。はたしてどの程度の冷却性能を備えているだろうか。
検証に際しては、PCI Express 5.0(x4)に対応するTeam「T-FORCE Z540」シリーズの2TBモデル「TM8FF1002T0C129」を用意。ストレージベンチマークテストの「CrystalDiskMark 8.0.4」を実行し、その挙動を確かめてみることにした。
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「TM8FF1002T0C129」はPCI Express 5.0(x4)対応SSDの中でも高速な部類に入り、その公称スペックはシーケンシャル読込最大12,400MB/s、同書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、同書込140万IOPSというもの。実際にベンチマークスコアをチェックしてみると、主に書込性能を中心にスコアが半分ほどになっている項目が目立つ。
そこで3回連続でテストを実行した際の挙動を見てみると、「TM8FF1002T0C129」のサーマルスロットリングしきい値である70℃を上回り、最大で80℃台半ばまで温度が上昇している。やはりPCI Express 5.0対応SSDの発熱を抑え込むにはスリムすぎたようで、SSDの性能をフルに発揮させたい場合は、最低限ヒートシンクに風が当たる環境を用意したいところだ。
サーモグラフィでヒートシンクの表面温度を確認すると、アイドル時でも50℃台半ば、高負荷時には約70℃まで上昇していた |
前世代にヒットになった「TUF GAMING B760-PLUS WIFI」に対して、最新のCore Ultra 200SシリーズCPUが使用できるのが「TUF GAMING B860-PLUS WIFI」の分かりやすいメリットであることは確か。
しかしそれだけでなく、冷却周りを含めて強化された電源回路をはじめ、PCI Express 5.0対応SSDやWi-Fi 7のサポート、上位モデル譲りの便利ギミックの導入など、着実なアップグレードが施されていた。やや気になるとすれば、多少冷却に物足りなさが残るM.2ヒートシンクくらいだろうか。
その一方で、まだ市場には第14世代CoreプロセッサやIntel B760マザーボードが多く流通しており、お手頃さという点で一歩譲るのは悩ましいところ。組み合わせるのにピッタリなCore Ultra 200SシリーズのNon-Kモデルもまだ出揃っておらず、プラットフォームの移行にはしばらく時間がかかりそうな情勢だ。
そうした過渡期を通り過ぎて新プラットフォームが主戦場になった暁には、歴代シリーズ製品と同様に、ミドルユーザーにとっての有力な選択肢になれるポテンシャルを備えている。
提供:ASUS JAPAN株式会社