「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.101 自作派にもオススメできるBTO eX.computer「Aero Mini」検証
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「エアロミニ」シリーズ実稼働時の挙動をチェックする
本稿最後は「エアロミニ」シリーズを実際に稼働させてみたい。ただし、カスタマイズ項目が豊富なプライベートブランドPCに、一般的なハードウェアのベンチマークテストを行ったところであまり意味が無いだろう。そこで今回は動作中の騒音値およびケース内温度状態を計測し、「エアロミニ」シリーズの挙動をチェックしてみることにした。
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■「エアロミニ」シリーズ騒音値テスト
まずはじめに、実稼働時の動作音について計測を行ってみよう。計測方法は、PCケース前面から30cmの距離にデジタル騒音計を設置し、アイドル時および高負荷時での動作音を比べてみる。なお両者動作音の違いはCPUクーラー(Intel純正品)のファン回転数によるものである事は言うまでも無く、高負荷時については、
「OCCT 3.1.0」
を使用している。
2011年10月10日計測 室内騒音値29.9dBA 室内温度24.5℃
アイドル時の騒音値は32.1dBA。この数値なら十分に静かで、トップ排気用80mmファンの駆動音はまったく気にならない。一方、高負荷時はCPUクーラー搭載ファンの回転数が上昇し、最大で43.7dBAになった。音の感じ方には個人差があるため、この数値は単なる目安でしかないが、静音からは少々逸脱した高負荷時でも、標準のデスクトップPC並の動作音に収まっている。
■「エアロミニ」シリーズケース内部温度テスト
次にアイドル時および高負荷時のケース内部温度を計測する。計測には汎用デジタル温度計を使い、温度センサーをCPUソケットと天板の中間に設置。それぞれの数値を確認してみよう。
2011年10月10日計測 室内騒音値29.9dBA 室内温度24.5℃
この手のテストを苦手とする、容積が限られたミニPCケースだが、アイドル時で室内温度からプラス4.3℃、高負荷状態でプラス16.0℃となった。ミドルタワーPCケースのように、複数個のケースファンが搭載されているワケでもなく、さらに唯一の排気ファンは80mm口径。内部の熱を排出する能力に限りはあるものの、この数値であれば実稼働に問題はないだろう。
■「エアロミニ」シリーズCPU温度テスト
テストセッションの最後に、CPUコアの温度を確認しておく。いくらケース内部の温度に及第点が与えられても、CPUの温度は、やはり気になるところ。CPUクーラーの能力に依存するテスト項目だが、そのパフォーマンスはケース内部温度状況に左右される事は言うまでもない。
2011年10月10日計測 室内騒音値29.9dBA 室内温度24.5℃
「OCCT」によるCPU温度計測では、アイドル時41.0℃、高負荷時64.0℃(それぞれ最大)となった。パワフルなPCが構築できるようになったMini-ITXだが、デスクトップPCにはまだ及ばない部分があるのも事実。よって、利用用途の幅もある程度予測はできる。その点を踏まえての計測結果は、まずまずといったところだろう。室内温度に対してのアイドル時温度はやや高い印象だが、この程度ではCPUクーラーのファンに大きな挙動の変化はなく、余力が残されている。一方、高負荷時での64℃は、一般的なミドルタワーPCケースでも同じような数値が出る事もあり、さほど問題ではない。
駆け足ながら、ここまで「エアロミニ」シリーズの挙動をチェックしたが、特に問題となる点は見当たらず、全体的な完成度は高かった。組み込みのプロフェッショナルが企画・製造しただけあって、パーツのチョイスについても申し分ない。
どちらかと言えば、セカンドPCのポジションに最適な「エアロミニ」シリーズだが、筆者の場合、ノートPCの代替えに最適ではないかと考えている。日頃“持ち歩かない”大きさのノートPCを愛用しているが、夏場の室内温度上昇時の使用で、本体が発熱する点は如何ともしがたい。メーカー製ノートPCの性格上、カスタマイズができない点は織り込み済みだが、数々の熱対策グッズもむなしく本体は触るとぎょっとするほど熱い。熱暴走も心配だ。ノートPCの冷却性能とは比べものにならないMini-ITXケースの「エアロミニ」シリーズをセカンドPCにすれば、精神衛生上も格段にいいだろう。
加えてiPadをひとまわり大きくした程度の「エアロミニ」シリーズは場所も取らず、“持ち歩かない”前提のノートPCユーザーなら、検討に十分値する有力な「代替え案」ではないだろうか。
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総評:決してあなどれないプライベートブランドPC
今回は縁あってプライベートブランドPCの実機を初めて検証する事ができた。DOS時代を含め、これまでほぼ自作PC一辺倒で来た筆者にとって、ノートPC以外の完成型PCは無縁の存在として勝手に位置付けていたワケだが、その考えも一部改めなければならない。
メーカー製PCよりも自作派寄りのプライベートブランドPCは、幅広い選択肢が魅力だ。さらに構成パーツにはお馴染みのブランドが採用され、事細かにカスタマイズを楽しむ事ができる。加えて気になる製品保証やサポートについても、メーカーPCと比べても遜色ないサービスが受けられる。
インターネットや雑誌で情報をかき集めてパーツを選定し、少しでも安く販売されているショップを探回って組み上げる「自作」は楽しい。しかし組み込みに自信がない人や、時間が取れなくて面倒になるという人は少なくない。さらに友人知人、親類にPC選定を頼まれるという経験は、「自作派」の誰しもが経験する事だろう。そんな時に最適なのがプライベートブランドPCの存在であり、これまで敬遠してきた、“ドップリ”の自作ユーザーにも十分魅力的に見えるのがイマドキのプライベートブランドPCだ。少なくとも筆者は今回の検証を終え、色眼鏡を外すときがきたなと感じている。
協力:株式会社Project White (ツクモ)
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[MI5J-C33/S](ベースモデル)
基本構成売価税込59,980円
製品情報(eX.computer)
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