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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.141 不沈艦「COSMOS II」検証
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拡張カード有効スペース

 次に拡張カード有効スペースを計測してみる。今回テストに使用したのは、カード長公表値285mmのGIGABYTE「GV-R797OC-3GD」だ。
 結果、3.5インチシャドウベイユニットの側面までは、実測値約135mmの空きスペースができた。十分“長モノグラフィックスカード”といえる「GV-R797OC-3GD」が小さく見えてしまうのは全体容積の大きさからとも言えるが、実際にこれだけの空間があれば減りつつはあるものの、補助電源コネクタ縦配列仕様のグラフィックスカードでもストレスなく配線できるだろう。

余裕の拡張カードスペース。延長線上となる3.5インチシャドウベイには120mmファンが増設できるため、パッシブ仕様のグラフィックスカードを搭載させる場合には“保険”を掛けておくこともできるワケだ



十分すぎる、PCケース最大級のCPUクーラー有効スペース

 今回の組み込みテストでは、広大なケース内部スペースを際立たせるため、敢えてLGA2011のリテールクーラー「RTS2011AC」を装着した。結果はご覧の通り(画像参照)。実測値で高さ190mmのCPUクーラー有効スペースはあらゆる大型CPUクーラーが搭載できるほどの空間が確保されており、申し分などありはしない。

LGA2011事実上のリテールクーラー「RTS2011AC」を搭載させてみたところ。見ての通り、十分すぎる空間が保たれており、市販の汎用CPUクーラーのほとんどが余裕をもって使用できるだろう



大型PCケースだけに重要なケーブルマネジメント機構

 多くのドライブが搭載できる点は大いに歓迎するが、それに比例してPCケース内部に生えるケーブルの本数は尋常では無い状態に陥る。さすがにその点は織り込み済みだけに、ケーブルマネジメント機構も十分に配慮されているのが「COSMOS II」の特徴でもある。
 昨今のPCケースでは当たり前となった、マザーボードトレイ背面スペースの“ケーブル取り回し”だが、裏配線用スルーホールは要所に装備されている。頭をひねりながらじっくり配線すれば、大型PCケースの利点を活かした、スッキリとした仕上がりになるはずだ。

ファンコントローラー機能を有効にするため、予め配線されたファン用ケーブル類(画像左)の量はご覧のありさま。各パーツを組み込んだのではないかと見紛うばかりだが、実はまだ組み込みをはじめたばかり。LED用ケーブルもデフォルトで接続されているため、結束バンドは余分に用意しておきたい
マザーボードトレイには、裏配線用のスルーホールが随所に用意されている。これらを有効に使い、マザーボード面では可能な限り最短距離でケーブルを這わせ、メンテナンス性が良好な配線を心がけたい
マザーボードトレイとサイドパネルまでの空間は実測値で約20mm。裏配線のし易さも秀逸
CPUクーラーメンテナンスホール(カットアウト)は20.5×14.5mmで開口部は広い



最厚部約24mmとなるサイドパネルの遮音性検証

 ひと通り組み込みが完了したため、最後に実働テストを行う。レビューといえばPCケース内部温度やCPU温度等を計測するのがセオリーだが、このクラスのPCケースともなれば、バラック状態とPCケース内部に組み込んだ状態では、数字に大きな差が出にくい。誤差を考慮すれば、僅かな数値の違いで“冷える”などと断定するには少々乱暴ではないか。そこでより現実的に騒音値に絞ってテストしてみる事にしよう。
 「COSMOS II」のサイドパネルは、通常のPCケースとは違いプラスチックとアルミニウムの2重構造。さらにパネル厚も最大で約24mmにもなり、遮音性が高いのではないかと睨んだ。また件のファンコントロール機能により、3段階にファンの回転パターンが設定できる。つまりPCケースから発せられる駆動音も3段階になるはずで、各々の騒音値も気になるところだ。
 ここではPCケース前面から30cmの位置に騒音計を設置し、それぞれの回転パターンでの駆動音を、正面左サイドパネルのオープン時とクローズ時の2パターンで数値を採ってみた。なお計測した室内騒音値は29.6dBAで、「COSMOS II」の標準搭載ファンは全て動作させている。


 「Low Speed」のサイドパネルオープン時37.2dBAに比べ、クローズ時は35.71dBAと−1.49dBA騒音値が下がった。さらに「High Speed」になると、オープン時41.4dBAがクローズ時で39.0dBAと、-2.1dBAも低下している。この数値ともなれば、実際に耳に聞こえてくる音の違いもハッキリ分かるレベル。騒音値テストから「COSMOS II」のサイドパネルの遮音性は予想通り高かった。



総評:本当は120点ながら100点の「COSMOS II」


 編集部滞在約1ヶ月間。人気の大型PCケース「COSMOS II」をあらゆる側面からチェックしてきたが、国内はもとより海外からも絶賛されるモデルだけあって、近年希なる完成度の高い製品だった。設計からリリースまでやや難産であったと聞く「COSMOS II」だが、さすがに熟成された感はそこかしこに感じられ、当分の間はライバルモデルを寄せ付けない最上位クラスのアッパーミドルPCケースとして君臨し続けるだろう。

 PCケースは2つに大別できる。いわゆる“ツルシ”の状態で使うモデルと、“カスタマイズ”に向いたモデルだ。大多数は前者だが、「COSMOS II」は明らかに後者の要素が高く、水冷構築を筆頭にカスタマイズできる可能性を数多く秘めている。これまで諦めていたものが実現できるベースとしては、これに変わるPCケースはそう見当たらない。蛇足ながらツルシ状態で使う場合でも、たくさんのギミックは自作派を楽しませるには十分だ。その出来映えは120点である。

 このまま褒めて終わればいいもの、敢えてひとつだけ付け加えると、意味も無く開閉したくなるサイドパネル開閉ギミックに注文がある。極めて筆者の個人的要望だが、開閉機構の蝶番を逆にしてはどうだろうか。
 「COSMOS II」の本体重量は公称約22kgだが、実際に組み込みを行って計測したところ、27.4kgだった。例のハンドルが無ければ僅かな移動すら容易ではない。仮に筆者が所有した場合、机の下に設置することになるため、現状のフロント側蝶番だと開いたサイドパネルが広大な面積のブラインドと化す。狭い机の下でヘビー級の本体を動かさずにメンテナンス作業を行うことはできず、本来の利便性が発揮できない。つまりこれではただのギミックとなってしまうワケだ。
 世界の自作市場で大ヒットとなっているモデルに対し、遠吠えのごとく蝶番に注文を付けるのは憚られるが、それでも出来映え120点、個人的リクエストにマイナス20点としても久々に100点満点に値する。貸し出し期間延長までした評価機の「COSMOS II」。誰が返すもんか。


機材協力:Cooler Master co., Ltd.
© GDM Corporation All Rights Reserved
 
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COSMOS II
市場想定売価:税込39,800円前後
発売日:2012年3月9日
製品情報(Cooler Master)
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