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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
 Home >エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.6 Cooler Master 「Enforcer」検証
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「Enforcer」に各種構成パーツを組み込んでみる

 いよいよ最終セッションは、実際にパーツを組み込み、組み立て易さや“収まり具合”などをチェックしてみよう。なお今回は実稼働テストは行わないため、以下表にまとめた構成パーツは参考程度に留めて頂ければと思う次第。

組み込みに使用したパーツ
CPU
Intel 「Core i7-2600K」
(SandyBridge/LGA1155/3.40GHz/TDP95W)
マザーボード
ASUSTeK「P8P67 DELUXE REV3.0」
(Intel P67 Express B3ステッピング)
VGA
SAPPHIRE「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」
(型番:21179-00-40R)
HDD
Western Digital「WD10EARS」
SSD
Patriot「Wildfire」(PW120GS25SSDR)
メモリ
ADATA「AD3U1333C4G9-2」
8GB(4GB×2枚)PC3-10600(DDR3-1333MHz)
電源ユニット
Cooler Master「GX 450 (Bronze)」
ドライブ
LG「GH24NS50」
OS
Windows 7 Ultimate 64bit SP1

Enforcer



十分すぎるグラフィックスカードと電源ユニット搭載スペース

Enforcer
公称値を超えるグラフィックスカードが搭載できた
 巧みに考え抜かれたドライブベイ機構により、「Enforcer」の拡張カードスペースおよび電源ユニット搭載スペースは十分だ。
 拡張カードスペースは、3.5インチHDDケージを取り外さない状態で公称270mmとされているが、テストで組み込んだSAPPHIRE「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」は、メーカー公称値で275mm。しかし問題なく装着できている。さらに件の3.5インチHDDケージを取り外せば、約390mmのスペースが現れる。4台分の3.5インチHDDシャドウベイは犠牲になるものの、ここは臨機応変に使い分ければ良いだろう。
 一方、電源ユニット搭載スペースは、実測値で約200mm。ケーブルを考慮すれば、奥行き170mm程度までの電源ユニットがセーフティだが、高出力モデルの“長モノ電源ユニット”を搭載させるならば、2.5インチシャドウベイを取り外す事で約270mmのスペースが確保できるので、問題にはならない。
 このように、ドライブベイ機構は搭載するドライブに対する使い勝手だけではなく、構成パーツにも利便性を発揮する。これ以上を望むならばさらに大型PCケースをチョイスすべきだが、ミドルタワーATXケースとしては、全体幅を活かした無駄の無い設計と言えるだろう。

Enforcer



良好なCPU・VRM周りのファンレイアウト

 「Enforcer」はトップ部に200mm×1基または120mm×2基の排気ファンを搭載させる事ができる。通気孔が大きく開けられたこの部分にファンが装着されていない様は、やや違和感を覚えるかもしれないが、標準搭載させなかった事でのコストダウン、さらに任意でファン口径を選択する事ができる合理性から、致し方ないところだろう。個人的には選択肢が少ない200mm口径ファンよりも、140mm口径ファンが装着したいが、それはさておき。
 熱源となるCPUソケット周りの冷却は十分で、電源ユニットをボトムレイアウトにした事による恩恵は最大限活用されている。ちなみに今回はIntelリテールクーラーを搭載しているが、「Enforcer」は高さ175mmまでの搭載スペースが確保されている。「エルミタ的一点突破 CPUクーラー編」で取り上げたモデルを振り返れば分かる通り、175mmを超えるCPUクーラーはそうそう存在しない。このエアフローレイアウトから、推奨はサイドフロータイプとなるワケだが、現存するモデルはほぼ全て搭載可能と考えて差し支えないはずだ。

Enforcer
Intelリテールクーラーが小さく見えるほど大きく開けられたトップ部の通気孔。「Enforcer」ではぜひサイドフロータイプのCPUクーラーをチョイスしたい



見えない所ほど重要。熟成されたケーブルマネジメント機構

 最後にケーブルマネジメント機構をチェックしておきたい。通常“ケーブルの取り回し”などと表現されているが、PCケース内部のエアフローの妨げとなる複数のケーブルをストレス無くきれいに整理するようにCooler Masterは早い段階より「ケーブルマネジメント」というキーワードを積極的に用い、提唱してきた。以降、リリースされる同社のPCケースでこれを無視したモデルは存在しない。
 「Enforcer」も例に漏れず、マザーボードトレイにはATX24pinメインコネクタがすり抜けられる幅のスルーホールが縦に3個、横に1個装備され、さらに背面に引き回したケーブルをタイラップで固定するための突起も複数用意されている。これらを上手に使うことで、PCケース内部の配線は簡単に整理することができ、使い勝手はかなり良い。実際に組み込めばすぐに分かることだが、必要な部分にこれらのスルーホールやタイラップ固定用突起が配置されているあたり、これまでに蓄積された経験値がうまく反映されているなと感じられた。

Enforcer Enforcer
Enforcer Enforcer
“自作を知っているな”と思わせるケーブルマネジメント機構。ちょっとした事だが、組み込みを進めて行く工程で、たびたび感心させられる配置は秀逸。ついついハード面にばかり目が行くが、良いPCケースとはこういった部分にも抜かりが無い。もっと脚光を浴びてもよいはずだ



総評 良いモノは資産として活用すべき

 「Enforcer」はその特徴的なフロントフェイスデザインにより、好みが分かれるだろう。やみくもに巷に溢れる人気ランキング上位に顔を出す事を狙うのであれば、個性を押し殺すべきだ。ただそれではつまらない。ゲーマー向けを謳うCooler MasterのCM Stormブランドは、これまで通り独自路線で楽しい製品を作り続けてもらいたい。
 本稿最後は、エルミタ的総合評価だが、今回は28.0ポイントとした。すでにお気づきの読者もいると思われるが、「Enforcer」は既存モデル「HAF 912 Advanced」と共通の内部構造が採用されている。なるほどどこかで見たような構造だなと気がついたのは、レビューの中盤あたりであったが、やはり良いものは資産として活用すべきこと。外装デザインを変え、ユーザーの選択肢が増えるという方法は、決して手抜かりではない。

Cooler Master 「Enforcer」 エルミタ的総合評価

【静音性】 4.5ポイント
 標準構成では、フロント200mm口径とリア120mm口径のファン2基のみが搭載されており、いずれも実稼働時の騒音値は低かった。後はトップ部のファンをどうチョイスするかによるワケだが、200mm口径ファンはそもそも低速回転で騒音値は高くない。120mm口径×2基での運用も、静音ファンを選択すれば、十分に高冷却・低騒音のシステムが構築できるだろう。サイドパネルが密閉されているだけに、音漏れも最小限に防げるはずだ。

【組み込み易さ】 5ポイント 
 組み込みは複雑な作業もなく、さらに各パーツを搭載させる際にも妨げとなるものも無い。ツールフリー機構も熟成されており、マイナス点を見つけ出すことはできなかった。

【剛性】 5ポイント 
 剛性は極めて高い。旧世代(「Centurion 5」など)の同社モデルに比べ、最近のCooler Master社PCケースは非常にしっかりとした作りになった。サイドパネルもカッチリと固定する事ができるため、駆動振動による共振の心配をする必要もないだろう。このシャーシは完成している。

【拡張性】 5ポイント 
 「Enforcer」は冷却機構よりもドライブベイ機構に大きな特徴を持ち、設計も重視されている。多彩なレイアウトにより運用できる仕組みはあらゆるユーザーのリクエストに応えることができるだろう。拡張カードや電源ユニット搭載にも不安は無い。

【冷却性能】 4ポイント 

 静音性でも触れたが、標準では2基の冷却ファンが搭載されている。200mmフロント吸気ファンは風量もそこそこあり、その大口径からたくさんの外気をPCケース内部に送り込む事ができる。排気に関してはリア120mm×1基のみだが、多くのユーザーはトップ部に任意のファンを増設すると仮定し、高クロックシステム構成にも応えるだけのポテンシャルはある。

【コストパフォーマンス】 4.5ポイント 

 執筆時点の実勢価格はおよそ13,000円前後。ライバルの多い価格帯だが、これだけのギミックと完成度から、価格以上の満足度は得られるはずだ。ただしトップ部のオプションファンを用意するコストを考えると、15,000円前後のPCケースとする見方もあるだろう。それでも高すぎるという事はない。

【エルミタ的検証用PCケース募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望PCケースを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。

機材協力:Cooler Master
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CM
Enforcer
製品名
Enforcer
素材
ボディ:スチール製
その他:プラスチック
対応フォームファクタ
ATX/MicroATX
5.25インチドライブベイ
×4(内1つは3.5インチ排他)
3.5インチドライブベイ
×1(5.25インチ排他)
3.5インチシャドウベイ
×6(×2はアダプタで2.5インチ使用可能)
2.5インチドライブベイ
×2(3.5インチアダプタ使用時は×4)
フロントI/O
USB3.0×2/USB2.0×2
マイク×1/ヘッドフォン×1
ファン
フロント:200×1(1000rpm/19dBA/赤LED)
リア:120mm×1(1200rpm/17dBA)
トップ:200mm×1または120mm×2
(いずれもオプション)
外形寸法
D523.5×W229.0×H484.5mm
重量
約8.9kg
国内発売日
2011年5月27日
製品情報(Cooler Master)
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