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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.68 Dragon slayerの兄貴分「Dragon Rider」徹底検証
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両側面ファン稼働/非稼働によるCPU温度の違い

 OSのインストールも完了し、実際に稼働した場合を想定して各種テストをしてみよう。
 「Dragon Rider」に限らず、PCケースの冷却能力はたいへん気になるところだ。さらにこのモデル固有の特徴として、右サイドパネル部に120mmファンが1基搭載されており、これがCPU温度にどのような効果をもたらすのかという点も非常に興味深い。

 まずは「OCCT 3.1.0」を用い、側面ファン(左220mm/右120mm)停止時の場合と、稼働時の場合との比較を行ってみた。

テスト実施日:2011年1月11日 室温17.2℃
OCCT 3.1.0 = 15min Mode:Medium Data Set

■側面ファン停止時
Dragon Rider Dragon Rider
【CPU1】 35℃-63℃ 【CPU2】 33℃-62℃
Dragon Rider Dragon Rider
【CPU3】 36℃-61℃ 【CPU4】 32℃-60℃

■側面ファン回転時
Dragon Rider Dragon Rider
【CPU1】 35℃-63℃ 【CPU2】 34℃-63℃
Dragon Rider Dragon Rider
【CPU3】 36℃-62℃ 【CPU4】 33℃-61℃

 両側面ファンの有り無しによるCPU温度の違いをテストしてみたところ、両者に目立った違いは出なかった。特にCPUソケット背面に仕込まれた120mmファンの恩恵が数値上に出れば、検証レポートとしてはたいへん説得力が出ようもの。しかし結果はご覧の状況で、特にCPU温度が下がるというワケではない。
 ただし1点補足するならば、今回テストで使用したCore i7-920の定格動作での結果であり、さらにTDPが高く、オーバークロック等を行った場合では、また違った結果が現れるのかもしれない。

 なおCPUクーラーの回転数は側面ファン停止時でアイドル1110rpm、高負荷時1688rpm、側面ファン回転時でアイドル1096rpm、高負荷時1654rpmだった。



グラフィックスカードのGPU温度テスト

 次にGPU温度について見て行こう。まずはじめに先ほど行ったCPU温度テスト時でのGPU温度結果を見て行く。


 再度確認しておくと、これはCPU負荷テスト時でのGPU温度状況となるため、参考程度に留めておきたい。しかしながら、側面ファンの稼働時は停止時に比べ高負荷時で4℃の違いが現れている。PCパーツでの4℃の違いは非常に大きく、さすがに220mm左側面ファンはグラフィックスカードにとって非常に有効なエアフローを送り込んでいる事が証明された。

 次にGPU本来の負荷テストとして「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」をLOOP設定で1時間回し続け、同じく側面ファンの稼働時/非稼働時でのGPU温度状況を比較してみよう。


 今回は高負荷時での最大温度で10℃の差が出る結果となった。ここまでくると解説は不要。言うまでもなく側面220mmファンは非常に有効で、構成パーツの寿命を延ばすアシストもしてくれるはずだ。



あまり意味がなかったケース内部温度テスト

 これまで数々のテストを行ってきたが、往々にして想像と違う数値が結果として表れる事がある。できれば手間の掛かるテストは1発で終わらせたいものだが、ケース内部温度テストは非常に手こずった割に“つまらない”結果となってしまった。
 と言うのも、ここではケース内部の3.5インチシャドウベイ(HDDケージ)真横と、CPUクーラーとメモリとの間にデジタル温度計のセンサーを置き、状況別のケース内部温度の違いを見ようと試みたのだが結果、負荷状況による温度の差が思うように表れてくれなかった。

Dragon Rider


 唯一得られたのは、CPUクーラーとメモリ間の熱源部分に比べ、HDDケージ裏(真横)がいずれも温度が高くなっている点。この結果だけで見れば、トップエリアはファンが集中しているだけに、熱籠もりがしにくく、吸気→排気のスピードが速いだけのアドバンテージがあると解釈できるだろう。
 逆にHDDケージ部は120mmファン1基だけで賄われている事から、やや不利な結果となったのだろう。HDDをフル搭載させ、頻繁にアクセスさせた場合、その差はもっと大きなものになる事が想像できる。



「Dragon Rider」は静音志向?実稼働騒音値テスト

 最後にアイドル時と「OCCT 3.1.0」テスト高負荷時の騒音値を計測してみた。計測ポイントはフロントパネルから30cmの位置としている。
 「Dragon Rider」の左サイドパネル裏には吸音シートが貼り付けられており、一応の騒音対策がなされているが、正直この恩恵はあまり期待しない方が良いかもしれない。とは言え、実際に稼働させてみると、高エアフロータイプのPCケースを使ったシステムとしては十分実用範囲内の騒音値で、意外にも静音PC構築にも対応している事が分かった。


 室内騒音値29.6dBA環境で、アイドル時35.6dBA、高負荷時37.7dBAは優秀。ちなみに両側面ファンを停止させた場合の騒音値はそれぞれ33.8dBA/34.4dBAで、さすがに若干数値は下がるものの、GPU温度テスト結果の温度差を見れば積極的にファンを停止させる必要性は無い。



総評 「Dragon Rider」で思う事

 正確な数値を把握しているわけではないが、ATXに比べE-ATX対応PCケースの選択肢は少ない。その意味において「Dragon Rider」が市場に加わることは諸手をあげて歓迎したい。
 今一度、大型PCケースの利点を列挙してみると、(1)拡張性の高い設計ができる、(2)大口径ファンが搭載できるため、低速回転=低騒音値での運用が可能、(3)開口部も広く、組み込みがし易い等が挙げられるだろう。
 これを「Dragon Raider」に照らし合わせてみると、(1)については十分なストレージスペース、さらに奥行きのある電源ユニットやグラフィックスカードが搭載可能で、拡張スロットおよび冷却ファンの複数化に成功している。また(2)はサイドパネルの220mmファンがあり、全ての標準搭載ファンを稼働させても十分静音PCケースと言うことができる。さらに(3)については、構成パーツ点数に依存するもののMicroATXケースの「Dragon Slayer」より短時間で組み込みは完了でき、ケーブル類の取り回しも余裕をもって行うことができた。つまり「Dragon Raider」は、大型PCケースの優位点が全て含まれている。

Dragon Raider

 反面敢えてデメリットを挙げるならば、本末転倒ながらサイズが大きいことだ。こればかりはユーザーの環境に依存する事項だが、バックパネル部に接続するモニタケーブルや入力デバイスのケーブル、電源ケーブルが伸びるスペースを考慮したそれなりの設置場所が必要な上、実際にパーツを組み込むとかなりの重量となり、移動やメンテナンス時には“気合い”も必要となってくるだろう。

 しかし前述のメリットは代え難い部分が多く、設置スペースやわずかながらの“気合い”との折り合いさえつくならば、ATXフォームファクタを利用する場合でもE-ATX対応PCケースを選択するのも良いだろう(実は掃除もしやすい)。その選択肢のひとつとして市場想定売価14,000円前後の「Dragon Rider」はIn Winらしい高い工作精度と高拡張性の両者を備えた十分お買い得な1台と言えるPCケースだった。「Dragonシリーズ」はなかなか良いぞ。

協力:株式会社エムヴィケー
機材協力:ASUSTeK
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logo
Dragon Rider
Dragon Rider
・ケースタイプ:フルタワー
・素材:1.0〜0.8mmスチール
・外形寸法:D578×W239×H556mm
・5.25インチ×5
・3.5インチ×1(5.25インチ1段使用)
・3.5インチシャドウベイ×6
・2.5インチ×1
・拡張スロット×8
・電源:オプション
・対応:E-ATX/ATX/MicroATX
・I/O
 :USB3.0×2/USB2.0×2/IEEE1394a×1
 :e-SATA×2/音声入出力
・ファン
 :フロント120mm×1/リア120mm×1
 :トップ120mm×1
 :左サイド220mm×1/右サイド120mm×1
メーカー製品情報
 
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