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動作検証セッション 〜動作音・CPU温度〜

 ここまで「SST-FT03-MINI」を細部に渡りチェックしてきたが、Mini-ITXケースの新機軸として、たいへん魅力的な製品である事がお分かり頂けたのではないだろうか。Mini-ITXフォームファクタを敬遠してきた人や、興味が無かった人を振り向かせるには十分なギミックを備えた「SST-FT03-MINI」だが、実稼働での挙動も気になるところ。そこで最後の“ひと押し”とばかりに、実際にシステムを起動させ、動作音および高負荷時のCPU温度を計測してみたい。




“筒型形状”ではやや不利な動作音を確認する

 Mini-ITXケースながら、SilverStone製PCケースの代名詞“正圧設計”を採用する「SST-FT03-MINI」。ボトム部に140mmファンを搭載した筒型の特殊な形状は、最たる“煙突構造”デザイン。有利な構造である反面、トップ部まで風の逃げ場が無い。さらに直進的で強力なエアフローが特徴の“徹甲弾140mmファン”は、これまでのテストでやや騒音値が気になる性格の持ち主である事が分かっている。風切り音や構成パーツの駆動音が上部から抜けていくスタイルから、ある程度の動作音は覚悟しなければならないだろう。
 そこでデジタル騒音計を用い、アイドル時および高負荷時の騒音値を計測してみる。

騒音値テスト

 テスト結果は、アイドル時34.9dBAに対し、高負荷時は39.dBAだった(「OCCT 4.2.0」30分動作)。音を数値化してもピンとこない人も多いだろ。あくまで主観だが、さすがにこのレベルともなれば“静音”とは言い難い。アイドル時(34.9dBA)も同様に、想像通り“徹甲弾140mmファン”の静圧能力から発せられる音は、“懸命に仕事をしている感”が強い。
 内部容積に制約がある省スペースPC筐体に、デスクトップ並の環境を要望するのは本末転倒。このレベルであれば、許容範囲と考えたい。もし動作音が気になるようであれば、BIOSのファンコントロール機能を使う手もある。CPUの温度をモニターしつつ、環境にあった回転数で静音動作させることも可能だ。



Intel純正CPUクーラーを使い、CPUの温度を計測してみる

 CPUクーラー搭載スペースに制約のある「SST-FT03-MINI」では、空冷の場合多くのユーザーが純正CPUクーラーを使う事になるだろう。そこで今回は、Intel Core i7-3770K同梱の純正トップフロー型CPUクーラーによる、アイドル時および高負荷時のCPUコア温度を「OCCT 4.2.0」15分動作にて計測してみた。なお計測時の室内温度は16.6℃だった。

Core #0/29℃-70℃
Core #1/22℃-74℃
Core #2/24℃-72℃
Core #3/30℃-71℃

 高負荷時はCore #0〜#3まで、全て70℃を超えている。これについても「SST-FT03-MINI」が必ずし悪いというワケでは無く、Intel純正CPUクーラーの冷却能力によるところが大きい。ただしここでもう一度考えなければならないのは、代替えモデルの選択肢が限られているという点だ。デスクトップPCであれば、純正CPUクーラーが非力でも、大型サイドフロー型CPUクーラーに換装すれば事は済む。しかしいかんせん、高さ制限の78mmは低すぎる。室内温度が上昇する夏場での常用使用を考えるならば、TDPが僅かながら低いCore i7-3770Sをチョイスするか、Core i3シリーズも選択肢に入れる方が無難かもしれない。



水冷クーラーを使い、CPUの温度を計測してみる

 次にオールインワンタイプの水冷キットを搭載させた場合のCPU温度を計測してみる。マニュアルにも“水冷が有利”と明記されている事から、その差はどれほどのものかを探ってみよう。なおテスト機材は前項でも紹介したとおり、マザーボードをASRock「H77M-ITX」に変更。オールインワン水冷キットにはサイズ「APSALUS2-120」を使用している。

Core #0/26℃-52℃
Core #1/25℃-57℃
Core #2/28℃-58℃
Core #3/29℃-53℃

 テスト結果を見ると、アイドル時では空冷比較で別段突出していないものの、高負荷時は20℃に迫る冷却アドバンテージを計測した。限られたMini-ITXケースの内部容積をものともせず、ラジエターが140mmファンによって十分に冷却されていることから、一般的なミドルタワーPCケースと遜色ない理想的なクーリングを行う事ができる。メーカーお墨付きだけに「結果は当然」といったところだろう。



水冷クーラー搭載時の動作音を念のために計測

 念のためオールインワン水冷クーラー搭載時の動作音も計測しておこう。このテストでの駆動音源は、ラジエーター部を冷却する“徹甲弾140mmファン”と、ウォーターブロック上に搭載されたポンプの駆動音。とはいえ、ポンプ駆動音はかなり静かで、動作時のほとんどは“徹甲弾”ファンからの音。空冷との計測結果比較は誤差の範囲内であり、今回のテストでは、完全に互角という結果だった。

騒音値テスト



総評:Mini-ITXに水冷ユニットを共存させたパイオニア


 これまでのMini-ITXフォームファクタは、VIAの非力なプロセッサが主流だった事から、冷却に関してさほど気に掛ける必要はなかった。しかし現在、コンシューマ向けチップセットを採用し、デスクトップPC用プロセッサが搭載できるようになるにつれ、省スペース筐体の冷却は大きな課題といえる。大型CPUクーラーが搭載できなければ、どうしてもエアフローの強いケースファンに頼らざるを得ない。
 さらに市場に出回るMini-ITXケースの中には、明らかに170mm四方の基板が収まる事だけが優先されたものが多く、冷却に関してはおざなり感が強い。確かに省スペースPCでは限界がある事は確か。しかし前述通り、デスクトップPC顔負けの構成パーツが、決して特別ではない価格で入手できるようになっている以上、小型PCケースにおける“冷却アンバランス”はどこかで解決しなければならないだろう。
 その課題をいち早く克服したモデルが、「SST-FT03-MINI」となるだろう。Mini-ITX筐体ながら、オールインワン水冷クーラーが無理なく搭載できる点は、小型PCマニアにとってかなりのインパクトであり、なによりマザーボードベンダーが大絶賛しているはずだ。小型PCカテゴリに限って、これほど普及の手助けになり得るトピックは、そうそうない。
 Mini-ITXマザーボードと水冷ユニットを共存させた先駆者的PCケース「SST-FT03-MINI」。現状、ライバルは見当たらない。

協力:SilverStone Technology Co., LTD
マスタードシード株式会社
© GDM Corporation All Rights Reserved
 
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