|正圧状態を作り出す、ファンレイアウトを確認する
良いPCケースと呼ばれるには、多くの冷却ファンが搭載できる事がもはや必須項目となっている。「SST-TJ04B-E」ではどうしてもドライブ機構に目が行ってしまうワケだが、ファンレイアウトも負けず劣らず、なかなかよく考えられている。SilverStoneの代名詞、「内部正圧」設計のエアフロー機構もじっくり確認しておきたい。
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「SST-TJ04B-E」のエアフロー基本レイアウト。正圧設計を採用するだけに、排気ファンはリア1基のみで、その他はPCケース内部に外部のフレッシュな空気を送り続ける |
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「SST-TJ04B-E」で標準搭載されるファンはすべて120mm口径。スペックは1,200rpm/21dBAでトップ吸気×1、正面右側面吸気×1、リア排気×1の合計3基だ。近頃のPCケースは複数ファンを標準搭載させ、半ばやみくもに高エアフローをアピールしてくる傾向にある中、標準3基はおとなしい。かといって、「SST-TJ04B-E」がそれでオシマイというワケではない。
■標準搭載の120×120×25mmファン
「SST-TJ04B-E」搭載ファンは共通で「HA1225L-12SA-Z」の型番が確認できる。(ラベルにはHonghua:鴻華の文字も印刷されているが詳細は不明)スペックは1,200rpm/21dBAでコネクタは3pin仕様。羽枚数は9枚で、単体での動作音は静かで、十分に静音性を確保しつつ、構成部品を冷却する事ができるだろう。ちなみにファンはリブ無しだった。 |
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■トップ部標準120mm吸気ファン(増設可能)
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トップ部のファンフィルター。無数の穴はハニカム構造で、高い通気性と強度を確保している。素材はプラスチックで、防塵メッシュフィルターが装着され、PCケース内部へのホコリの侵入をカットする |
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ファンフィルターを外すと、トップ120mm吸気ファンが確認できる。なお背面側にはさらに120mm/140mmファン増設スペースが用意され、任意で追加搭載させる事ができる |
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トップ&リアのファンレイアウト。デフォルトでは120mmファン(1,200rpm/21dBA)が各1基装備されている。さらにトップ部には120mmまたは140mmファン1基が増設可能。もちろん240mmサイズの水冷ラジエターも固定できるはずだ |
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■正面右サイド標準120mm吸気ファン(増設可能)
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3.5インチドライブベイユニット冷却用の正面右側面(下部)に搭載された120mmファン。「HDD-HEAT-SINK」に向けて直接エアを吹き付ける重要な役割を果たす |
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その下にある、もう1基の120mmファン増設スペース。3.5インチHDDフル搭載させる場合に追加搭載はほぼ必須 |
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■SilverStoneならではの細かい配慮
あまりにも些細な事だけに、普通なら気にも留めないような点を敢えてご紹介したい。それはファン固定用のネジだ。
付属品としても同梱されているブラック塗装の「SCREW-T/F-M3 27-NI」は、25mm厚ファン用で、ネジの溝がそれに合わせて刻まれているが、リブ無しファンには都合がいい。つまり必要以上に締め付ける事を未然に防ぐ事で、リブ無しファンのフレームが歪むなどダメージの心配がないというワケだ。多くのネジは溝がヘッド付け根まで刻まれている事が多く、このような配慮はまさにファン専用として用意されている証拠。自作ユーザーへの気遣いは、さすがSilverStoneと言ったところだ。 |
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■ボトム部120mmファン増設スペース
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ボトム面にある120mmファン増設スペース。底面にはスライド式の防塵フィルターが装着済み |
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■リア標準120mm排気ファン
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唯一の排気ファンはリア部に1基。通気口となる搭載スペースには無数の穴が空けられ、若干外部に出っ張るように押し出されている事がわかる |
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■増設ファンはすべて「吸気」で装着する
「SST-TJ04B-E」では合計6基の冷却ファンスペースがあり、そのうち3基の120mmファンが標準で搭載されている。デフォルト状態での運用でも別段問題はないものの、ハイエンド構成パーツで固めようというユーザーには少々物足りないだろう。
そこで積極的にチョイスしたいのがSilverStoneの自信作で、「RAVEN」シリーズなどにも採用されている「Air Penetrator fan」(通称:徹甲弾ファン)だ。高い指向性&直進性が特徴で、筐体内部正圧状態を保つにはまさにベストマッチ。なお増設時、ファンはすべて吸気で搭載させる事になる。これまでの“常識”から、特にトップ部は排気方向と思いがちだが、「SST-TJ04B-E」ではその常識は通用しない。「正圧」の利点と特徴を理解し、エアフロー方向にも気遣いが必要だ。 |
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