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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.25 Noctua「NH-L12」検証
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「NH-L12」の細部をくまなくチェックする
次に「NH-L12」本体のディテールからチェックしていこう。デュアルファンからくる視覚的迫力から重量級CPUクーラーにも見えるが、Noctuaブランドの製品としては“軽量”な部類となる全体重量約680gに抑えられている。
そのスタイルは、ニッケルメッキによるフィニッシュにより、銅製受熱ベースと銅製ヒートパイプ、アルミニウム製放熱フィンは一体感のある同一色。さらにコーポレートカラーであるブラウンとベージュの冷却ファンを組み合わせ、機能性だけでなく工作物としての美しさを大切にするNoctuaブランドの主張は、このモデルにも脈々と受け継がれている。
ベージュとブラウンの冷却ファン、そして異なる素材でも一体感のあるヒートシンク。対面の放熱フィン中心部にはNoctuaのロゴが刻印されている
スマートなスタイルとは裏腹に、Noctuaはオーバークロッカー御用達のCPUクーラーメーカー。「NH-L12」もトップフローながら受熱と放熱の冷却サイクルを短時間でこなせるようデュアルファン仕様とした
放熱フィンは60枚で構成。NoctuaブランドのCPUクーラー共通の工作精度と十分な剛性が確保されている
放熱フィンへ均等に貫通するφ6mmヒートパイプは計4本
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ダイレクトタッチ式は“もちろん”非採用
ヒートパイプをCPUに直接接触させ、冷却効果を高める目的から多くのCPUクーラーで採用されるヒートパイプ・ダイレクトタッチ。しかしこれに否定的なNoctuaは、頑なにオーソドックスなスタイルを崩そうとはしない。
エルミタと親交の深いNoctuaの主要スタッフであるJakob Dellinger氏は以前、ダイレクトタッチについて、“ヒートパイプと受熱ベースの接合には非常に高い技術とコストが要求”されるため、冷却能力と製造コストのバランスを考えると、“現状では非ダイレクトタッチが有利だ”と語っていた。妥協を許さないNoctuaのアイデンティティは、新作「NH-L12」にも継承され、受熱ベース部は美しい鏡面に仕上げられている。
今回の新作でも、ダイレクトタッチ式は回避。それでもヒートパイプと受熱ベース部の接合は精巧で、いかにも“冷えそう”な雰囲気を醸し出す
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「NH-L12」のヒートシンク本体と搭載ファン
次にヒートシンクのデザインをチェックするため、2基のファンを外した状態で細部を見ていこう。
NoctuaのCPUクーラーは、大口径ファンをデュアル搭載させるなど見た目のインパクトがある反面、ひとたび冷却ファンを取り外すと、ヒートシンクデザインに奇抜さはない。奇をてらわない正当派スタイルから生み出されるこの独特な雰囲気こそ、Noctuaが多くのファンから支持されている理由のひとつではないだろうか。
90mmファンとの接触面には、シリコンラバーが貼り付けられている。ファンからの駆動振動を極力抑えるための配慮だ
どこまでも緻密なヒートシンク。工作物として見ても、非常に美しい
次に冷却ファンをチェックしておこう。「NH-L12」に標準で搭載される2基のファンは、いずれもワイヤークリップで固定されている。普及価格帯のCPUクーラーとは違い、ワイヤー自体の剛性も高く、放熱フィンにしっかりと密着する。また、120mmファンの四隅にはブラウンにカラーリングされたシリコンラバー、90mmファンと放熱フィン密着部にはシリコンテープが装着され、ファンからの駆動振動を吸収する役割を果たしている。
120mmファンの四隅にはシリコンラバーを装着。防振効果だけでなく、ワイヤークリップで冷却ファンのフレームを傷めないように配慮されているというわけだ
90mmファンは、放熱フィンとの密着部にシリコンテープが貼り付けられている。4点で固定されるワイヤーと、滑り止め効果もあるシリコンテープにより、指先で簡単に冷却ファンがずれるという事はない
汎用ファンとして単品発売もされている「NF-F12 PWM」(左)と「NF-B9 PWM」。なおケーブルは実測値で200mmのスリーブタイプ。両末端は熱収縮チューブにより圧着処理が施されていた
なお各々のファンスペックは以下の表にまとめた通り。付属の減速ケーブル
「Low-Noise Adaptor」(L.N.A)
を使用すれば、標準スペックより回転数を落とした状態で運用できる。
NoctuaのCPUクーラーに付属される「Low-Noise Adaptor」。いわゆる減速ケーブルで、必要に応じて回転数を落とす事ができる
型番
NF-F12 PWM
NF-B9 PWM
外形寸法
120×120×25mm
92×92×25mm
PWM
対応
対応
ベアリング
SSO2
SSO2
回転数(Max)
回転数(L.N.A)
1,500rpm±10%
1,200rpm±10%
1,600rpm±10%
1,300rpm±10%
回転数(Min)
300rpm
300rpm
騒音値(Max/Min)
22.4dBA/18.6dBA
17.6dBA/13.1dBA
MTBF
150,000h
150,000h
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素材
銅(ベース/ヒートパイプ)
アルミニウム(放熱フィン)
外形寸法
W128×D150×H93mm
重量
約680g
-ファンスペック(「MF-F12 PWM」)-
ファン寸法
120×120×25mm
回転数
300〜1,500rpm±10%(PWM)
1,200rpm±10%(L.N.A)
風量
Max93.4m3/h(PWM)
Max74.3m3/h(L.N.A)
騒音値
Max22.4dBA(PWM)
Max18.6dBA(L.N.A)
-ファンスペック(「MF-B9 PWM」)-
ファン寸法
92×92×25mm
回転数
300〜1,600rpm±10%(PWM)
1,300rpm±10%(L.N.A)
風量
Max64.3m3/h(PWM)
Max52.6m3/h(L.N.A)
騒音値
Max17.6dBA(PWM)
Max13.1dBA(L.N.A)
ベアリングタイプ
SSO-Bearing
コネクタ
4pin
動作寿命
150,000時間
対応ソケット
Intel LGA2011/1366/1156/1155/775
AMD Socket FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
リリース日
2012年2月21日
製品情報
http://www.noctua.at/main.php?show=
productview&products_id=46&lng=en
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