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|「NH-L12」テストセッション
■CPUコア温度テスト(ロープロファイル:90mmシングル動作時)
(平均値):最小35.5℃〜最大73.8℃
Low-Noise Adaptor使用(平均値):最小29.1℃〜最大76.6℃
続いて120mmファンを外し、90mmファン1基によるロープロファイル状態で計測を行った。ひとつ断りを入れておくと、テストで使用したIntel「Core i7-3930K」のTDPは130Wであり、「NH-L12」の90mmファンシングル動作の場合、エアフローが良好なPCケースで使用する事が条件とされている。つまりバラック状態でのテスト環境は、「NH-L12」にとって“無風”となり、サポート対象外での使用である事を認識しなければならない。
イレギュラーである事を差し引いてテスト結果を見ると、デフォルト状態(90mmシングル)で最小35.5℃〜最大73.8℃、減速ケーブル「Low-Noise Adaptor」使用時で最小29.1℃〜最大76.6℃となった。最小値こそIntel「RTS2011AC」よりもまだアドバンテージはあるものの、最大値は「Low-Noise Adaptor」未使用時でも純正に勝てない。この結果から、Intel純正CPUクーラーは、“冷えないがそこそこの耐性がある”と言えるだろう。(とは言え、ファン回転数が違うため、一概に比較はできない)
今回はイレギュラーでのテストながら、「NH-L12」はロープロファイルで使用する場合、95W以下のCPUあたりが無難かもしれない。
なおひとつ付け加えなければならないのは、当然冷却能力が落ちるはずの「Low-Noise Adaptor」使用時だが、最小値はデフォルト状態よりも良好な数字が出ている。これは誤差ではなく、実はテストを行う順序の問題。
まずは「Low-Noise Adaptor」接続状態で負荷をかけ、15分程度の間隔を置いて標準状態でのテストを行った。つまり完全に冷え切らない状態が続いたために起こった逆転現象で、当然テストとしては好ましくない。ただ敢えて掲載したのは、動作状況により6℃も差が出てしまう事があり、検証は外気温をはじめ各々の環境やテスト方法に依存する部分が非常に大きく、エルミタを含めた世に出回るテストレポートは、ひとつの目安として見て頂ければと思う。
|吸い出しオンリーで果たして冷えるのか
「NH-L12」のロープロファイルスタイル時、つまり90mmファンシングル搭載時のエアフロー方向は、ヒートシンクに対して吸い出しになる。吸い出しで効果的な冷却能力を得るには放熱フィンのデザインと、冷却ファンの静圧能力とのバランスが重要になってくる。市場に流通するCPUクーラーのほとんどがヒートシンクに対し、吹きつけである事は万人の知るところだが、この事実から吸い出しで冷却効果を得る難しさは想像に難くない。本来吹きつけ用に設計された「NH-L12」だけに、ロープロファイルスタイル時の“90mmファンシングル吸い出し”には無理があるのではないだろうか?そこでファンのエアフロー方向を逆転させ、ヒートシンク吹きつけでの冷却能力をテストしてみる事にした。
■CPUコア温度テスト(ロープロファイル:90mmシングル動作時)
※ヒートシンク吹きつけ時
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ヒートシンクに対し、デフォルトでは吸い出しとなる「NH-L12」を、吹き付けに変更。放熱フィンに直接風をあてる事で、高い冷却効果は得られるのだろうか? |
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90mmファン吹きつけ時(平均値):最小38.8℃〜76.8℃
結果は惨敗。「Low-Noise Adaptor」時のテストをするまでもなく、標準回転ですら吸い出し時よりも悪い結果となってしまった。ただし「NH-L12」のヒートシンクが吸い出しに有利とは到底断定できるものではなく、TDP130WのCPUを使用したテスト環境では、理論や常識は通用せず、そもそも無理があると考えた方がよさそうだ。 |
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