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|「NH-L12」テストセッション
次に騒音値をチェックしてみよう。室内騒音値は29.1dBAで、計測ポイントはトップファン部(90mmシングル時はヒートシンク部)より30cmの位置でデジタル騒音計により動作音を拾っている。
■騒音値テスト
CPU温度計測とは違い、スペックに見合った数値が並んだ。最小は90mmシングル動作「Low-Noise Adaptor」接続時の32.3dBA、最大は90mmシングル高負荷時の34.9dBAだった。
いずれの動作時もおおむね静音で動作するため、無理に「Low-Noise Adaptor」を使用する必要は感じられない。ファン回転数を減速することで冷却能力を落とすよりも、標準回転のまま動作させた方が良いかもしれない。
■ファン回転数テスト
次にファン回転数をみていこう。最小は90mmシングル動作「Low-Noise Adaptor」接続時の497rpm、最大は90mmシングル高負荷時の1,507rpmで、これも順当。騒音値と違い棒グラフがジグザグになっているのは、PWMのメリハリがきちっと表れているためだ。
ファンの公称スペックから大きく逸脱することもなく、問題にする点は見当たらない。
では最後にヒートシンクのポイント別温度計測を行ってみよう。今回は標準デュアルファン搭載時とロープロファイルスタイルの90mmファンシングル搭載時、いずれも高負荷状態での計9箇所を、非接触型温度計を使い計測を行った。
■ポイント別温度計測(標準デュアルファン動作/高負荷時)
■ポイント別温度計測(90mmシングル動作/高負荷時)
両者を比べると、90mmシングルファン動作時での受熱ベース上部温度45.3℃が最大値となった。標準デュアルファン動作時の34.5℃に比べ10.8℃とかなりの差が出ているワケだが、これはファン回転数が低い分、冷却が間に合っていないと見るべきだろうか。さらに右端ヒートパイプ上部も標準の26.1℃に対し、90mmシングルは35.9℃となり、その差は9.8℃と差が大きい。その他はファンの風量に見合った順当な数値とみていいだろう。
|Noctuaらしい逸品。この際ロープロファイルは忘れよう
NoctuaブランドのCPUクーラーは、市場での評価が高い。冷却機器能力の高さもさることながら、定評の工作精度も人気の要因だろう。ヨーロピアンスタイルのスマートさとは裏腹に、オーバークロッカー達の空冷御用達メーカーと言う位置付けは、ライバルを簡単には寄せ付けない。そんなブランドイメージから、どんな製品でも高い冷却能力が期待されてしまうワケで、下手な製品は出せないというプレッシャーが常につきまとう。これが良い製品を生み出す後押しにもなっているはずだ。
さて今回テストした「NH-L12」は、Noctuaラインナップでは比較的おとなしいタイプのモデルだ。同じくトップフロー型には140mmファンデュアルの「NH-C14」、ヒートパイプ6本の「NH-C12P SE14」があり、製品スペックを見る限りは末っ子の位置付けだろうか。それでもデフォルト状態での冷却能力は十分に高く、Noctuaらしい逸品だった。
一方、ロープロファイルとしての顔を持つ「NH-L12」については、今回のテスト環境で冷却能力を決めつけられないものの、ギミックとして捉える方が無難かもしれない。それはロープロファイルに特化して設計された一般的な製品でも十分に冷却能力が高く、さらに安価なモデルが入手できるからであり、無理に「NH-L12」を選ぶ理由は見いだしにくい。
国内市場では販売開始前になるため、いつものような総合ポイントは付けられないが、デフォルト状態で敢えてジャッジすれば【静音性】4.5ポイント、【冷却性能】5.0ポイント、【取り付け易さ】5.0ポイントで、いずれも高評価だ。Noctua製品という事もあり、【コストパフォーマンス】は恐らくギリギリ4.0ポイントになるはずで、合計18.0ポイント以上は堅い。Noctua曰く、日本市場での販売開始も近いという事で、高冷却トップフローCPUクーラーとして十分期待できる製品だった。 |
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協力:RASCOM Computerdistribution
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