|エルミタ的レギュレーション
|CPUクーラー計測環境および計測方法
お断りするまでもなく、CPUクーラーのテストといえば、冷却能力が主題となる。ただし、実際にCPUクーラーを稼働させるPCケース内環境はさまざまで、イコールコンディションを定義する事は事実上不可能だろう。そこでエルミタ的レギュレーションを以下通りに決め、今後のテストでも可能な限り同一環境で行う事で、これをひとつの“基準”として参考にして頂ければと思う。
またテスト環境となる室内温度は、この企画を続けて行く限り、常に変化する事になるわけだが、その点は気にせず、柔軟にテストを繰り返す事とする。
1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る)
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPU全コアに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから10cmの距離で計測
(騒音計はファンと垂直方向に設置)
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)
6.コア温度およびファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測) |
以上6項目がCPUクーラーテストにおける、エルミタ的レギュレーションとした。なお
4.騒音値については注釈が必要だろう。
このテストでは搭載ファンから10cmの距離で計測を行った。サイドフロー型、トップフロー型いずれもファンとは水平位置に騒音計を置き、5回計測での平均値を採っている。またCPUクーラーの近くではVGAクーラーのファンが稼働しており、当然その騒音も拾うことになる。パッシブモデルの使用も検討したが、多くのユーザーはファン搭載モデルを使用すると想定し、実際の稼働状況に近い数値を採る事とした。
CPUクーラーは通常フタを閉めたPCケースの中で稼働させる上、ケースから耳の距離もある程度確保されている。よってこの測定方法も一定の基準を作った中での測定値となる。なお実際のファン動作音は、一般的にファン単体の動作音が表記されており、ヒートシンクにエアフローが抜ける音(風切り音など)などは考慮されていない。さらに実際の耳の聞こえ方には、高周波帯域、または低周波帯域いずれかが極端に「耳障りになる」と感じる等の個人差がある事もお断りしておく。(つまり究極の所、実際に自分の耳で聞いてみるしかない)
検証使用機材 |
CPU |
Intel「Core i5-750」 Lynnfield
(2.66GHz/TB時最大3.20GHz/TDP95W) |
マザーボード |
GIGABYTE「P55A-UD3」
(Intel P55チップセット/ATX) |
メモリ |
OCZ「OCZ3P1333LV4GK」
(1333MHz/PC3-10666/CL 7-7-7-20/1.65v) |
SSD |
OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ) |
VGA |
XFX「HD-567X-YNFC」
(Radoen HD 5670 512MB DDR5) |
OS |
Windows 7 Ultimate 64bit |
放射温度計 |
AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1 |
騒音計 |
TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合) |
検証ツール |
高負荷状態 |
OCCT 3.1.0 |
温度/回転数 |
SpeedFan 4.40 |