|「SST-HE01」CPUコア温度テスト
まずはCPUクーラーの真の実力を探るべく、CPUコア温度を計測してみよう。「SST-HE01」はデフォルトの140mm(38mm厚)冷却ファンは、フレーム部に回転数2段階切り替えスイッチを装備し、Lowモード(500〜1,200rpm/PWM)とHighモード(500〜2,000rpm/PWM)を任意設定できる。さらに標準のシングルファンに加え、最大3基での運用にも対応することで、使用用途やシーンに応じてカスタマイズできるワケだ。
そこで今回はシングルファン、デュアルファン、トリプルファンの3種類、さらにLowモード、Highモードの2パターン全てのパフォーマンスをチェックすることにした。なお計測時の室内温度は28.6℃で、CPUのオーバークロック等は一切行っていない。
エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法
1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPUに100%負荷をかけ、計5回のテストを実行
4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測
5.高負荷状態はストレステストツール「OCCT 4.3.1」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測)
7.CPU温度計測には「OCCT 4.3.1」を使用(全コア平均値)
6.ファン回転数は「SpeedFan 4.46」を使用 |
参考モデル【Intel Core i7-3770K同梱純正CPUクーラー】
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アイドル時 |
高負荷時 |
2012年6月27日計測時
(24.3℃) |
37.0℃(33.9dBA) |
86℃(40.5dBA) |
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|シングルファン時(140mm×1基)
Lowモード(500〜1,200rpm)
Highモード(500〜2,000rpm)
まずはツルシの状態で計測。Lowモード高負荷時で60℃台に乗ったものの、まずまずの成績。Highモードではさすがに風量増大の恩恵により、アイドル時で−3.5℃、高負荷時で−3.3℃となり、非常に素直な挙動をみせてくれた。
|デュアルファン時(140mm+120mm各1基)
Lowモード(500〜1,200rpm)
Highモード(500〜2,000rpm)
次にI/Oパネル側に120mm(25mm厚/300〜1,500rpm/Max22.4dBA)ファンを増設したデュアルファン状態での結果をみていこう。突出しているのはシングルファンに比べ、アイドル/Lowモードで−3.5℃を計測している点。大型サイドフロー型CPUクーラーはある程度冷却能力があることから、高負荷状態よりも、アイドル状態の温度を下げる方が難しい。その点では優秀ながら、逆に高負荷時は想像よりも数字が伸びていない。Core i7-3770Kで60℃を切るCPUコア温度はもちろん合格レベルだが、Highモードの高負荷時がシングルファン状態と同じ結果では少々物足りない。
|トリプルファン時(140mm+120mm+120mm各1基)
Lowモード(500〜1,200rpm)
Highモード(500〜2,000rpm)
さらにメモリスロット側に120mm(15mm厚/500〜1,600rpm/8〜30dBA)ファンを増設し、トリプルファン状態にしてみる。結果、アイドル時はLow/Highいずれのモードも34℃台になった。一方、高負荷時はシングルファンLowモード比−3℃で面目を保ったものの、Highモードでは逆に+0.8℃だった。この程度であれば誤差の範囲だが、僅差である事には変わりない。
デュアルファンモードの計測結果からも分かるように、Core i7-3770Kを普通に使おうという場合、冷却ファン増設によるメリットはあまり期待しない方がよさそうだ。 |