前回の「2010年真夏のSSD選び CORSAIR SSDを選ぶ理由 - 前編 -」では、SandForce SF-1200コントローラーチップを搭載する主力モデル「Forceシリーズ」を筆頭に、JMicron JMF612搭載「Reactorシリーズ」、INDILINX BareFoot搭載「Novaシリーズ」のベンチマークテストをご紹介したが、今回はその後編をお届けする。
これまでに数多くのSSDをとりあげてきたが、僅か数年の間にこれほど多くのメーカーが参入し、多彩なモデルが市場に溢れるとは想像していなかった。
SSDが次世代(いや、もうすでに現世代と言えるかもしれない)ストレージデバイスの救世主的存在である事は疑う余地もない。自作業界では異例とも言える爆発的普及の中、まさに群雄割拠の市場を形成しつつある。
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|予想外のSSDメーカー乱立。さて、どのメーカーを選ぼうか?
若干落ち込み気味だった自作業界にあって、SSDの爆発的な流通はメーカー・代理店・販売店にとって大きなビジネスチャンス。その結果、あまり馴染みの無いメーカーや、これまでストレージデバイスなど一切取り扱っていなかった“意外なメーカー”までもがその食指を伸ばし、多種多様のSSDが市場に溢れている。
とは言うものの、販売価格を含めまだまだ発展途上中であるだけに、その製品サイクルは目まぐるしい。成熟期に入るにはまだ数年かかるであろうというのが大方の見方だが、それを知りつつも、ハードディスクには無い魅力を多く備えるSSDの購入意欲は増すいっぽうなのだ。
さて、このSSDの魅力については今さら言うに及ばず、ほとんどの自作ユーザーはご存じと思うが、一方で数多あるモデルの中からどれを選べば良いかと迷う人は多いだろう。新規参入メーカーが多く、決して安価ではないSSD選びは、こと慎重に行いたい。
|CORSAIRラインナップで見えてくるSSDの旬
今回の主役であるCORSAIR社のSSDは、近ごろ非常に積極的なモデル展開で市場に新製品を投入している。本業のメモリ業界を知り尽くしたメーカーだけあって、積極的ではあるが、そのラインナップは極めて堅実。多彩ながらリリースタイミングは旬を押さえたものばかりだ。
コントローラーチップだけ見ても、高速転送速度を実現する現在主流のSandForce「SF-1200」を筆頭に、2009年度の市場をリードしたINDILINX「BareFoot」を採用。「BareFoot」は信頼性の高さとSSD急成長の爆発的普及を支えた功労者として未だ根強い支持を集めている。
さらにJMicronも忘れてはならないだろう。SSDが今以上に高嶺の花だった時代に投入した「JMF602」は、不名誉な“プチフリ”という言葉を生み出してしまったが、「JMF612」に移行してからというもの、改良により信頼回復を果たしたチップとなった。
いずれも現SSD市場をリードするコントローラーチップだが、CORSAIRではこれらを採用するモデルをラインナップ、さらに容量も豊富に用意し、選択の幅を確実に拡げている。
|現行モデルのNANDフラッシュには積極的にINTEL製を採用
搭載コントローラーチップ名は開示されても、NANDフラッシュのメーカー名については多くの場合、文字通り“フタを開けて”見なければ分からなかった。しかしSSDの普及に伴い、ユーザーからのリクエストに応えるべく、搭載NANDフラッシュメーカー名も徐々に開示されるようになった。
さてCORSAIRだが、現行モデルには積極的にINTEL社製MLCタイプのNANDフラッシュが採用されている。この点については、コントローラーチップ同様、大きなアピールポイントとされており、高速転送と信頼性の両立が図られている。
|オススメは「Forceシリーズ」。 〜CORSAIR担当者に聞く〜
まだまだ手頃とは言えないSSDをいざ購入となれば、数字上のスペックだけでなく、ストレージデバイスとしての信頼性も大きなポイントとなる。大切なデータを格納するからこそ、購入前には可能な限り予備知識をつけておきたい。
そこで国内正規代理店である株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)の協力により、CORSAIR社のSSD担当者にリリース間もない「Forceシリーズ」(SandForce SF-1200)についてアピールポイントを伺ってみた。
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SandForce SF-1200 |
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「CORSAIRのForceシリーズはストレージに求められる要求に応える究極のSSDです。現在では、40GBから240GBまでにラインアップを提供しています。
CORSAIRのForceシリーズは、最大読込285MB/sec、最大書込275MB/secと、極めて高いパフォーマンスを発揮します。速度を追求したい、もしくはシステムやゲームのパフォーマンス向上させたいと考えるなら、CORSAIRのForceシリーズが最適です。」
|SSDは信頼性が重要。CORSAIR製品は3年間保証付き
このように担当者曰く、CORSAIRでは現行モデル最上位となる「Forceシリーズ」に大いなる自信を持っており、「SSD市場の中でも、最高のパフォーマンス」であるとアピールする。さらに製品の信頼性についても言及されており、同社が掲げる“THREE YEAR WARRANTY”にある通り、日本国内で販売されている正規代理店モデルはすべて3年間保証が提供されている点にも注目したい。
ご存じのように、Windows 7世代からSSDの弱点を補う「Trim対応」が謳われるようになり、以前ほど“書き換え回数上限”について騒がれる事が減ったとはいえ、やはり実際に使用し続けなければ分からない、未知数な要素はある。メーカーによる3年間保証はその強い味方で、HDD同様、日頃からバックアップを取れば、ハイリスクという印象は十分に補えるだろう。
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